《本記事のポイント》

  • 安倍首相は、国民を危機にさらしてきたことを謝るべき
  • 重要な問題について、政治家は国民を説得しなければならない
  • 北朝鮮を「平和を愛する諸国民」から除外して、日本を守れ

日本国憲法が3日で、施行から70周年を迎えた。

敗戦後の占領下で、連合国軍総司令部(GHQ)が1週間あまりでつくったにもかかわらず、日本人はありがたがって、ただの一度も改正してこなかったことは、むしろ恥ずべきことだろう。

現在、北朝鮮や中国が核・ミサイル開発を進め、その気になれば、日本を脅し、占領できるレベルに達している。だが、日本は独自で動くことはできず、国民は不安の中でただおびえるしかない。

「私たちは戦争をしません」とお題目を唱え続ければ、世界は平和になるという幻想の下で、70年間、政治家が「積極的平和ボケ」を進めてきたツケを、いま国民が払わされている。

国民を危機にさらすことを、「機は熟してきた」と表現する首相

最近、安倍晋三首相は、憲法改正に関する発言で、元気がいい。

1日には、東京都内で開かれた「新しい憲法を制定する推進大会」に出席。憲法改正について、「機は熟してきた。結果を出さなければいけない。憲法施行70年の節目の年に必ず歴史的な一歩を踏み出す」と述べた。

「安倍さん、よく言った!」と手を叩く人もいるかもしれないが、よく考えると何かがおかしい。

北朝鮮が日本に核やミサイルを撃つかもしれない状況を、「機は熟してきた」と言っているのであれば、これほど国民をバカにした発言はない。半世紀以上も政権を担当してきた自民党が改憲を先延ばしし続けてきたために、国民を危機にさらしている現状に対して、党の総裁である安倍首相は、まず国民に謝るべきではないか。

改憲を争点から外したり、主張を弱めたりして逃げてきた

もちろん、安倍首相が、首相になる以前から憲法改正の必要性を訴えていたことは、多くの人が知っている。しかし、選挙が近くなったり、批判が増えてきたりすると、すぐに「改憲」を争点から外したり、主張を弱めたりしてきた。

例えば、2013年夏の参院選では、本丸である9条改正には触れず、改憲の要件を定める96条を改正するかどうかに議論を絞った(その後、96条改正は頓挫)。さらに、16年夏の参院選の勝利で、公明党などを含め、衆参両院で憲法改正案の発議ができる改憲勢力ができたにもかかわらず、その後、本格的な改憲の議論に踏み込まなかった。

国民が歓迎しないことであっても、国の存亡がかかっている問題については、政治家は声を大にして国民を説得しなければならないはずだ。

「戦争放棄」「戦力の不保持」のまま、「自衛隊」明記は不誠実

現在も、9条改正に反対する連立相手の公明党に配慮してか、改憲の争点をぼかし始めた。

安倍政権は、まずは"お試し改憲"として、「緊急事態条項」「地方自治」「教育無償化」「環境権」などの改正案も提示。だがこれでは、憲法改正が手段ではなく、目的と化している感は否めない。

「教育無償化」「環境権」などは、今後、国の行く末を危うくする論点が多く含まれているが、そのデメリットについて配慮していないのも問題だ。

また、3日付読売新聞のインタビューで、安倍首相は、「戦争放棄」「戦力の不保持」を定めた9条1項、2項をそのまま残した上で、憲法に規定がない自衛隊に関する条文を追加することを優先させる意向を示した。

しかし、これは本質的な改正にはなっていない。自衛隊を明記する以上、「戦争放棄」「戦力の不保持」は削除すべきだ。論理をこねくり回して国民をあざむこうとする姿勢は、あまりに不誠実だ。

北朝鮮は「平和を愛する国」ではない

8年前の立党以来、「憲法改正」を訴える幸福実現党は3日、憲法記念日に関する党声明を出し、東京都内の複数の場所で街頭演説を行った。

釈量子党首は東京・品川駅前で、次のように訴えた。

「安倍首相が9条の1項、2項を残したまま、自衛隊を憲法に明記する、と言うが、それでは意味がない。国民がバカにされているのではないかと感じます。また、北朝鮮がいつミサイルを撃つかも分からない状況を、『機が熟してきた』と言うのは、日本や日本人を盾に、憲法を改正しようという心なのか。これは、『アメリカは戦争をしない』と言って、(国民を犠牲にした上で)戦争をやろうと待ち構えていたルーズベルト大統領と同じような深層心理ではないかと思う」

「国民の命を1人たりとも失うことなく守るために必要なのは、憲法改正であり、特に2項を変えなければ、この国、国民一人ひとりを守ることができない。どうやったら北朝鮮に核を撃たせないか、抑止するかを考えないといけない。今、政府がやっていることは『積極的平和主義』ではなく、『積極的平和ボケ』と言えるような状況ではないかと思う」

戦争や紛争は誰もが避けたい。ただ残念ながら、平時の日本に強盗犯や殺人犯がいるのと同じように、周辺には日本の権利を侵そうとする国や指導者が存在する。そうした横暴な国から日本国民を守る体制をつくる。憲法改正でやるべきは、本来、ただそれだけのシンプルなことだ。(格/和)

【関連書籍】

幸福の科学出版 『「現行日本国憲法」をどう考えるべきか』 大川隆法著

https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1103

幸福の科学出版 『新・日本国憲法 試案』 大川隆法著

https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=110

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