米国防総省が軍事費の大幅削減に動いているが、米インディペンデント研究所シニア・フェローのチャールズ・ペーニャ氏が、3日付米誌クリスチャン・サイエンス・モニター(電子版)で、同盟国の防衛負担肩代わりなどの戦略見直しで、更なる軍事費の削減が可能だと論じている。

同氏によれば、冷戦の終焉で他国によるアメリカ本土攻撃の危険性が少なくなった今、米軍を全世界に展開しておく必要はなくなった。注目すべきは、同氏が「日本や韓国のような裕福な同盟国(wealthy allies)がありながら、ど うしてアメリカだけが中国の挑戦に対する防衛負担を肩代わりしなければならないのか」と極東の防衛負担に疑問を投げかけ、「日本や韓国が自国の国防をもっと自らまかなうべきである」と特に述べている点である。

累積負債が急を要する問題となり、アメリカの姿勢が内向きになるにつれ、この種の感情的色彩を帯びた議論は今後さらに巻き起こってくるものと予想される。

本誌が繰り返し指摘してきたように、アメリカが世界の警察官をやめる日はまもなく訪れる。「その時」が突然来るようでは困るのであって、日本は段階的に国防の主体を日本人自らの手に移管できるように、たゆみない準備を早急に進めていかなければならない。

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