豪メディアのABCが報じた慰安婦像ニュース(1日付電子版)。

オーストラリアで、慰安婦像の設置運動が再燃している。

韓国系市民団体が昨年、シドニーのストラスフィールド市に慰安婦像を設置しようとし、日系市民団体の反対によって、設置が阻止された慰安婦像問題。しかし、オーストラリア放送協会(ABC)によると、韓国系市民団体が今月6日に、再び、シドニー郊外の別の場所に像を設置する計画を進めているという(1日付電子版)。

これについて産経新聞は、韓国系市民団体が、ひとまず、シドニー韓人会館に像を設置した後、1年以内に、アッシュフィールド市の教会に移設する方針であると報道。教会のビル・クルーズ牧師は、同紙の取材に対して「私は日本人の敵ではなく、韓国支持でも中国支持でもない。被害女性のことだけを考えている」と述べたという(7月4日付電子版)。

「慰安婦問題は謝罪や賠償で解決しない」

しかし、本誌・本欄で繰り返し述べているように、慰安婦問題は、日本叩きのためのプロパガンダ(政治宣伝)であり、いわれなき「虚構の歴史」。「日本軍は慰安婦を性奴隷にした」という韓国側の主張が、嘘であることは数多くの日本軍資料でも裏付けられている。

にもかかわらず、日本政府は昨年末に、元慰安婦を支援する財団に対し、10億円を拠出する「日韓合意」を締結。韓国側の言い分に屈し、歴史認識をめぐる反論に消極的となった。

今回の運動に反対の声を上げている、オーストラリアの日系市民団体「AJCN」の代表・山岡鉄秀氏は、本誌7月号の中で次のように述べている。

「慰安婦問題は、謝罪や賠償で解決する問題ではありません。安倍政権には、歴史問題が情報戦であることを正しく認識し、謝罪外交を改め、毅然とした態度で外交に臨んでほしいです」

日韓合意を受け、その後、日本と韓国両政府とのつばぜり合いはなくなり、一見歴史問題が収束しているかのように見える。だが、今回の動きを見れば、それが「幻想」であることが分かる。日韓合意の効力はどこへやら。安倍政権は、外国で起きている歴史問題にどう対処していくのか、説明責任を果たすべきであろう。

(山本慧)

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