第10-11代台湾総統

陳水扁

プロフィール

(ちん・すいへん)1951年、台南生まれ。台湾大学法学部在学中、司法試験に合格。台北市長などを経て、2000年から08年まで台湾総統を務めた。半世紀にわたる国民党支配からの政権交代を成し遂げた。総統退任後に収賄罪などで逮捕・起訴され、服役。現在は病気療養のため仮釈放中。

2008年まで台湾総統を務めた陳水扁(ちん・すいへん)氏を、幸福の科学の藤井幹久・国際政治局長が3月下旬、台北市内で表敬訪問し、懇談した。この中で藤井氏が3月初めに台北市内で行われた大川隆法・幸福の科学総裁の講演「愛は憎しみを超えて」(関連記事参照)の内容を紹介したのに対し、陳元総統は幸福の科学を支持母体とする幸福実現党について、「信頼できる政党」だとして期待を語った。

台湾独立派のシンボル的な存在

陳元総統は2000年、直接選挙によって選ばれた李登輝氏に次ぐ2人目の総統で、独立志向の民主進歩党(民進党)から初めて選ばれた総統でもある。台湾の独立派の中心的な存在として、今も多くの台湾人の賛同を得ている。

陳元総統は、「台湾と中国はそれぞれ別の国である(一辺一国)」と一貫して主張しており、中国政府が主張する「一つの中国」政策に反対する立場だ。

仮保釈中のため、公の場での政治的な演説などは禁じられている。しかし陳元総統は、YouTubeで動画を公開し、「台湾は一つの独立主権国家である」「台湾を第二の香港、第二のチベットにしてはならない」などと発言している。

2020年1月に行われる総統選挙に向けて、民進党からの出馬を表明した頼清徳・元行政院長はこのほど、「陳元総統の特赦が民進党勝利のカギを握っている」と発言し、注目を集めた。

「幸福実現党に大勝していただきたい」

大川総裁が3月3日に台北市内で行った講演は、台湾の李登輝元総統からの信書を受けとり、「台湾の未来をよろしく頼む」という趣旨の内容が書かれていたため、これを受けるかたちで実現した。

大川総裁は講演で、「もうすでに、台湾自体が『別の国家』として成長してきています」と述べ、台湾の「自由・民主・信仰」の価値観を中国本土に広げる必要があると語った。

陳元総統は講演の内容を聞き、次のように感想を述べた。

「大川総裁は、『台湾は、すでに独立した国である』と発言されました。私の考えも、完全に同じです」

また、日本への期待についても以下のように語った。

「日本政府には、アメリカのように『台湾関係法』を制定してほしいと考えます。

私が総統を務めていた当時、自民党のなかには、『台湾関係法を制定すべきだ』と主張する議員もいました。しかし、幸福実現党のように、これほど大々的に台湾政策を主張する日本の政党を、これまでに見たことはありません。

大川隆法総裁が創設された幸福実現党には、今後の日本の選挙で大勝していただきたい。なぜなら、自民党よりも、さらに信頼できる政党であると、私は信じるからです」

幸福実現党は、(1)台湾関係法を制定し、台湾防衛に関与する、(2)台湾を「国家」として承認し、国交正常化を進める、(3)台湾の国連加盟(復帰)を支援する──などの台湾政策をまとめている。

陳元総統との会談の詳細については、4月30日発売の月刊「ザ・リバティ」6月号で詳報する。

(国際政治局 小林真由美)

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2019年3月3日付本欄 大川総裁が台湾で講演 台湾の自由、民主主義、信仰を中国本土にも広げるべき

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