「沖縄の現状」についてどう考えるか 八重山日報・編集長に聞いた

「沖縄の現状」についてどう考えるか 八重山日報・編集長に聞いた

辺野古周辺の空撮画像。(画像はWikipediaより)

 

沖縄で行われている「反基地・反本土運動」の延長線上には、中国共産党による沖縄侵略という最悪のシナリオがある──。

 

本誌2019年3月号「今の沖縄は侵略された『あの国』そっくり!?」の記事では、基地問題で揺れる今の沖縄と、中国の自治区となったチベットの併合前夜とを、比較検証しました。

 

本欄では、本誌に載せきれなかった八重山日報編集長・仲新城誠氏のインタビューを掲載します。

 

八重山日報編集長

仲新城 誠

プロフィール

(なかしんじょう・まこと)1973年、沖縄県石垣市生まれ。琉球大学卒業。99年入社後、八重山の政治、経済、社会問題を中心に取材。2010年から現職。著書に『偏向の沖縄で「第三の新聞」を発行する』(産経新聞出版)など。

──沖縄では、「琉球新報」「沖縄タイムス」の二紙が反基地運動を煽っているように見えます。沖縄のマスコミについて、どうご覧になっていますか。

仲新城誠氏(以下、仲): 沖縄では、「マスコミ・学界・政界」が"三位一体"となって、リベラルな意見を発信しています。

 

沖縄の問題点は、保守的な意見を持つ人が、フェアに議論できないということです。

 

琉球新報や沖縄タイムスなどの沖縄のマスコミは、御用学者にしか話を聞かないため、保守的な意見を述べる大学教授や弁護士は、干されています。保守的な考えを持つ人は口をつぐみ、リベラルでなければ生き残れない状態です。

 

ただ、県民の8~9割が同じ考えで統一されているというのはあり得ません。沖縄にも多種多様な考え方があって、保守的な人とリベラルな人の割合は、おそらく半々だと思います。しかし、マスコミの影響で、大多数がリベラルな思想に誘導・洗脳されています。

 

 

──沖縄では、2月24日に辺野古埋め立てをめぐる県民投票が行われる予定です。

仲: もし県民投票を実施するならば、前提条件として、県民が国際情勢や中国の脅威などについて、理解していなければなりません。しかし、沖縄では中国に関する情報がほとんど報じられていません。

 

チベットやウイグルが中国に侵略され、人権弾圧が行われていることについて、多くの県民が知りません。中国の脅威が切迫しているという意識もありません。

 

県民がきちんと前提知識を持った上で判断しているならまだしも、まったく知らされない状態で、「辺野古を埋め立てるべきか否か」と問われれば、反対するのは目に見えています。

 

また、中国は台湾に対して、圧力を強めています。台湾と断交する国も増えていますし、年初には、習近平国家主席が「台湾統一に向けて武力行使も辞さない」と演説しました。

 

台湾と沖縄の距離は非常に近く、飛行機ではたった30分ほどで到着します。与那国島からは、台湾が見えます。武力を行使せずとも、経済的に、あるいは台湾で政権交代が起きて、じわりと中国主導で統一された場合、沖縄や八重山のすぐ目の前まで、中国の勢力圏が存在することになります。

 

年始早々、中国海警局の船が尖閣諸島周辺の領海を侵犯しました。尖閣の目の前まで中国が迫っていて、尖閣は"風前の灯"です。

 

 

──チベットが中国に侵略された理由の1つとして、チベット仏教に基づく「平和主義」が挙げられます。沖縄でも「基地をなくして、平和な沖縄を」と平和を求める声が強いです。その"根っこ"にあるのは、沖縄戦でしょうか。

仲: その通りです。沖縄は、全国で最も平和教育が盛んな県です。

 

沖縄では、沖縄戦が終結した6月23日は、「慰霊の日」として休日になっています。沖縄のすべての学校で、6月に向けて平和教育を行います。その内容は、「戦争は絶対悪である」ということ。徹底的に、「どんな理由であれ、武力はいけない」「基地も軍事力もダメ」という平和教育を行います。ある意味で、無抵抗主義です。

 

「こうした理由から戦争が起き、こうした理由で負けた」ときちんと教えるのであればいいのですが、それらを一切説明せずに、「こんな悲惨な戦争があった。再び戦争が起これば、また悲惨な目に遭う」と、悲惨な面だけを強調しています。

 

こうした状況を問題視した石垣島の元教育長が、「平和教育は子供たちを思考停止させる」と発言したところ、マスコミに批判され、干されてしまいました。

 

 

──基地問題に関しては、近年、マスコミでは「自己決定権」という言葉がよく用いられていますね。

仲: 「自己決定権」という言葉は、流行の言葉です。元々は学者の造語ですが、琉球新報が「米軍基地を拒否する」という意味で使い始めました。その後、翁長雄志・前県知事が国連の演説で初めてこの言葉を用い、県政にも公認された形で定着しました。

 

沖縄二紙は"独立論が大好き"で、何度も独立運動を取材して一面で連載したり、琉球王国が独立国家として外国と国交を結んでいた証拠を、一面トップで報じたりしています。

 

本気で独立論を信奉している沖縄県民は、まずいません。しかし、そうした報道を毎日目にしていると、容認するまではいかないにしても、一つの考えとして認識するかもしれません。

 

翁長前知事は、恣意的な言葉を意識してたくさん使い、本土と沖縄の間に亀裂を走らせました。マスコミが「沖縄のために、弱い翁長知事が強大な政府に立ち向かっている」と騒ぎ立てるため、次の選挙に向けて、権力基盤が固まるわけです。おかげで沖縄の県益や国益は大きく損なわれました。

 

 

──他県で似たような独立運動が起きれば、大変なことになりますね。

仲: 沖縄の場合、本土と海を隔てていますし、本土と違う歴史を有しています。1972年までは、アメリカの領土として切り離され、パスポートがなければ本土に行けませんでした。

 

本土と沖縄との関係について、沖縄の人々が敏感なのは、事実です。日本への復帰後に生まれた世代は、「日本人であること」に違和感はないのですが、それ以前の世代は、「沖縄人なのか、日本人なのか」に疑問を持っていて、本土との一体感がそれほど強くありません。そうしたところに、中国がつけ込んでいるのです。

 

 

──このまま沖縄で情報統制がなされたまま、感情的な分断が進めば、最悪の事態としてどんなことが考えられますか。

仲: 尖閣には中国船が常駐し、気づけば目の前まで中国の勢力圏が存在しています。沖縄県民がこのまま何も考えなければ、中国圏にのみ込まれる可能性があります。

 

沖縄が米軍を追い出そうとし、かといって自衛隊も嫌となると、名実ともに切り離されるでしょう。尖閣近辺で武力衝突が起きていないのは、日米安保条約があり、「尖閣に何かあれば、米軍がやって来る」と、しつこいほど言ってきた効果が表れているからです。

 

しかし、いずれは中国が「アメリカと対等に渡り合える」と判断する時期が来ると思います。それが"Xデー"となって尖閣が取られた場合、もちろん八重山も時間の問題で、八重山が取られたら、次は沖縄です。先の大戦で決死の覚悟で沖縄を守ろうとしたことから分かるように、沖縄を失ったら、日本は終わりです。

 

反基地派は、米軍基地が沖縄に不要な理由として、「日中の関係改善が進んでいる」ことを挙げ、日中友好を推し進めることで、武力衝突の可能性を減らそうとしていますが、現実を見ていないと思います。(談)

 

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タグ: 辺野古  中国  沖縄  侵略  チベット  仲新城誠  八重山日報  独立  

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