"多様性"に配慮して入学基準を緩めた米カリフォルニア大学で「中学数学レベルに満たない学生」が激増 ─ 学力より政治的理由を優先させた名門大の悲劇

2026.06.03

《ニュース》

米名門のカリフォルニア大学において、数学ができない学生が急増していることが物議を醸しています。

《詳細》

カリフォルニア大学では近年、学内の学力格差が広がっていることが問題視されています。

同大学サンディエゴ校の報告によれば、数学の能力が高校レベルに達していない学生が5年間で30倍に激増し、そのうち70%は中学レベルにも満たないといいます。同大学バークレー校においても、数学の診断テストを受けた第1学期の微積分受講者の20~30%が、深刻な学力不足に陥っていると、3年連続で確認されています。その結果、大学レベルの授業をすべき教員たちが、同時に中学レベルの数学から教えなければならない事態が発生しているといいます。

この学力低下を引き起こした原因として指摘されているのが、全米共通学力試験である「SAT」「ACT」の成績の提出を廃止したことです。

アメリカの大学入試は一般的に、日本のような試験はなく、高校の成績(GPA)やエッセイ、課外活動などを総合的に評価する仕組みです。その代わりに日本の共通テストにあたる「SAT」「ACT」を選考基準に入れることで、大学側は「志願者の基礎学力」を判断することができます。

しかし、コロナ・パンデミックで受験が困難になったことを受け、全米の多くの大学がテストの免除に踏み切ります。当初は一時的な措置でしたが、その後、恒久的な制度として定着する大学も出てきました。

コロナ禍に加えて、「SAT」や「ACT」は、低所得の有色人種や障害のある学生にとって不利な制度だ」という批判が左派を中心に巻き起こっていたことも、制度恒久化の背景にあります。彼らは「裕福な白人家庭はテスト対策に資金をかけられるからだ」という論理を展開。こうした少数派の意見に配慮して、カリフォルニア大学は2021年、入学選考において共通テストのスコアを考慮しないことを決定しました。

しかしその後、学生の学力が著しく低下したことを受け、同大学の数学およびSTEM(科学・技術・工学など)分野の教員らがこのほど、大学運営陣などに対し、教育体制に関する抗議文書を発表しました。教員らは「すでに警告の兆候が見られる。前提科目の履修期間が長くなり、上級コースへの準備が不十分になり、定量的な厳密さを希薄化しようとする圧力が高まっている」と指摘。2027年度の入学試験からSTEM選考の志願者に対し、全米共通学力試験である「SAT」「ACT」の成績の提出を義務付けるよう求めています。

なお、マサチューセッツ工科大学やダートマス大学、イェール大学といった名門校は軒並み、「受験者の能力を見極めるのに役立つ」などとして、「SAT」「ACT」のスコア提出の義務化を復活させています。

《どう見るか》

続きは2ページ目へ(有料記事)


タグ: 学力低下  人種  多様性  学力格差  入学基準  ACT  カリフォルニア大学  スコア要件  SAT 

「自由・民主・信仰」のために活躍する世界の識者への取材や、YouTube番組「未来編集」の配信を通じ、「自由の創設」のための報道を行っていきたいと考えています。
「ザ・リバティWeb」協賛金のご案内

YouTubeチャンネル「未来編集」最新動画



記事ランキング

ランキング一覧はこちら