遠のく、習近平の"平和的統一" - ニッポンの新常識 軍事学入門 44

2024.01.29

2024年3月号記事

ニッポンの新常識

軍事学入門 44

遠のく、習近平の"平和的統一"

世界の流れを正しく理解するための、「教養としての軍事学」をお届けする。

日本安全保障戦略研究所研究員

邱 伯浩

(チョウ・ボハオ)1967年生まれ。台湾出身。陸軍軍官学校、国防大学陸軍参謀学院、国防大学政治研究所などを卒業。政治学博士。現在は日本安全保障戦略研究所研究員を務める。

1月に投開票された台湾の国政選挙により、史上初めて「同一政党による3期連続政権」が誕生しました。

「台湾はすでに独立した国家(現状維持)」「香港型の一国二制度の導入に反対」などを唱える民進党の頼清徳陣営が勝利。蔡英文現政権を継承し、対中強硬姿勢を堅持すると見られます。

一方の立法院(議会)では、民進党の経済政策の失点などにより、過半数の議席を確保できず、「少数与党」として再出発することになります。

ただし総統職は日本の首相とは異なり、相当な権力を有しています。例えば、国営企業のトップなど約6000人の人事権を有し、ガス、鉄道、電力、銀行界に影響力を行使できます。同じく、任命権を有する最高法院(最高裁判所)の裁判官は、民進党寄りの裁判官が多数派であるという現状を持続させるでしょう。これは憲法改正を行う際の重要な要素となります。

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タグ: 中国  国民党  民進党  軍事学入門  選挙介入  台湾  習近平  総統選  2024年3月号記事  頼清徳  邱伯浩 

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