今度は台湾を見捨てない - 1月総統選後に迫る危機
2019.11.29
2020年1月号記事
1月総統選後に迫る危機
今度は台湾を見捨てない
2020年1月、台湾では総統選が行われる。
台湾の現状と、日本の関わり方について考えた。
(編集部 飯田知世)
明治神宮に行きたい」─。
今から12年前、中学生だった筆者の家にホームステイに来た台湾人の女子中学生Yさんは、そう口にした。正直、動揺した。「日本はアジアの人たちに悪いことをした」。当時は漠然とそう思っていたからだ。
Yさんのおじいさんは、日本統治時代に日本の大学を卒業し、志願して従軍した知日派。その影響でYさんも、日本の歴史に興味を持つようになったという。
台湾人のYさんやおじいさんの方が、日本人よりも日本をよく知っている……。筆者は自然と台湾に興味を持ち、何度も足を運んだ。5年前に学生運動(*)が起きた時は、同世代の若者が中国を拒絶する姿を目の当たりにした。台湾は、中国と違う価値観を大切にする別の「国」だ。
Yさんと出会ってから12年。改めて調べ直すと、台湾を取り巻く状況が大きく変化していることに気付かされた。
(*)馬英九政権が2014年3月、台湾と中国の貿易を促す「サービス貿易協定」を強行採決しようとしたことに、学生を中心に約50万人の市民が立法院(国会)を占拠して抗議した。
次ページからのポイント
台湾が直面する危機
総統選で決まる、これからの台湾
Interview 中国は台湾にすでに戦争を仕掛けている / 邱 伯浩氏
トランプ政権で具体化するアメリカの台湾支援
台湾から頼りにされる日本へ
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