カダフィ大佐訴追を目指す国際社会

2011.03.06

ベネズエラのチャべス大統領が提案した和平案は、反体制派やカダフィ大佐の次男、米国務次官補に一蹴された。リビア政府軍と反体制派の攻防は続き、長期化も懸念されている。

米オバマ大統領は3日、記者会見では初めてカダフィ大佐の即時退陣を要求。またリビア政権への圧力か、米軍の艦船を地中海に移動させた。しかしあくまで米国はじめ国際社会は、大規模な軍事行動を起こさずに大佐を追い詰める方法を探っている。

その一つが国際刑事裁判所(ICC)による訴追だ。ICC検察局は3日、「人道に対する罪」について大佐を含む政権側の10-20人を捜査し、数か月以内に逮捕状を請求する可能性があると発表した。先月末に国連安保理から付託されてから、異例の速さとなる。

もう一つは88年の米パンナム機爆破事件での訴追。カダフィ政権から離反したアブドルジャリル前法相が先月、同事件は大佐の指示によるものと明かしている。3日付産経新聞によれば、米政府は司法省やFBIと捜査を検討し始める考えだという。

平和的な解決法で事態を収めることができるか、米オバマ大統領と国際社会の手腕が試されている。(由)

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