「国難をつくったのは自民と民主」 トモダチ作戦立案した元海兵隊員が語る
2017.10.10
《本記事のポイント》
- エルドリッジ氏は「国難は誰がつくったのかを考えなければならない」と指摘。
- 北朝鮮危機への対処の次は、中国対策も必要。
- 幸福実現党は、8年間ぶれずに国防を訴え続けている。
アメリカの協力なしに、北朝鮮のミサイルから日本国民を守ることはできない。
北朝鮮有事への備えを訴える幸福実現党はこのほど、東日本大震災時に「トモダチ作戦」を立案した元海兵隊のロバート・エルドリッジ氏を招き、セミナーを開催した。会場となった新潟県長岡市のパストラル長岡には約150人の参加者が集った。
エルドリッジ氏は、「北朝鮮のミサイルと中国の覇権主義から新潟を守るために必要なこと」と題したセミナーの前半で、質疑応答を含めた30分ほどの講演を行った。その後、幸福実現党の釈量子党首や、衆院選で新潟5区から立候補予定の笠原れいか氏、新潟県阿賀野市議を務める横井もとゆき同党新潟県代表を交えたパネルディスカッションも行われ、大盛況となった。
会場は満員となった。
「国難は誰がつくったのかを考えなければならない」
防災対策と安全保障をテーマとした講演で、エルドリッジ氏は、実際に現場で支援に当たった東日本大震災などの具体的な事例を用いながら、「安全保障にも防災の体制にも空白をつくってはいけない」と、事前準備の大切さを語った。
有事対応に関連し、エルドリッジ氏はアメリカの軍隊が優れている理由として、装備や予算、教育に加えて、「国民に愛されている」ことを挙げた。その上で、「自衛隊は(国民から)支持されているが、どれほど理解され、愛されているのかが少し疑問」だと、自衛隊が活躍できる環境が整っていないことを指摘した。
また、安倍晋三首相が語る「国難突破解散」については、「解散の意義も意味も分からない。この国難をつくったのは、自民党とその前の民主党。直面している問題にちゃんと対応してこなかった。(中略)国難は誰がつくったのかを考えなければならない」と喝破。
さらに、北朝鮮のミサイル問題を先延ばしにすべきではないと述べた上で、「北朝鮮より中国の方が脅威」「甘く見てはいけない」とし、北朝鮮の後に想定される危機にも言及した。
その他、自衛隊の統合運用体制や日米の連携、震災に強い街づくりや震災時の行動など、さまざまな論点が盛り込まれた。
北朝鮮の危機と中国の脅威
エルドリッジ氏の講演後、幸福実現党の原しんじ新潟県本部幹事長の司会のもと、エルドリッジ氏、釈党首、笠原氏、横井氏の4人によるパネルディスカッションが行われた。
ディスカッションでは、北朝鮮の危機と中国の脅威などについて議論が交わされた。衆院選出馬を表明している笠原氏は、「政府は万全な体制が整っていると言っているが、Jアラートが鳴っても、どうしたらいいか分からない」という新潟の人々の不安の声を紹介し、「国難の危機に瀕している今だからこそ、国防の強化が必要」だと訴えた。
釈党首も、「北のミサイルにどう対応し、国民の命をどう守るか」が争点になるべきだとした。
エルドリッジ氏は、北朝鮮問題に対する想定の甘さを次のように指摘。
「日本の北朝鮮に対する見方が甘い。ある国連に務めていた専門家は、(北朝鮮で有事が起きても)難民がほとんど来ないと言っていた。とんでもない誤算。加えて、難民の中に工作員が含まれていることも考えなければならない」
元自衛隊員の横井市議は、抑止力としての軍事力について、「日本は専守防衛を掲げている。しかし、専守防衛という中にも、他の国の基地を事前に攻撃する能力を持つべき。そうした能力があってこそ、他国からの攻撃を防ぐ抑止力になり、『専守防衛』だと言える」と発言。
北朝鮮の危機と同時に、中国政府が新潟市中心部に4500坪の土地を購入したり、中華街をつくる構想を市に提案したりするなど、接近してくる中国政府の思惑も無視できない。
これについて笠原氏は、「中国政府が購入した土地に領事館が建てられれば、治外法権が適用され、日本政府は手を出せなくなる。つまり、もし領事館内部で爆弾をつくるようなことがあっても、それを止めることができない」と話した。
エルドリッジ氏も、中国政府が沖縄に影響力を強めるにあたり、「歴史文化・経済・政治・外交軍事」という4段階を経たと解説し、新潟の状況と重ね合わせた。
パネラーの4人は「政治家のあるべき姿」についても語り、ディスカッションは終了。その後、釈党首が登壇し、中国の脅威についてこのように訴えた。
「実際に、新潟と同じような状況から中国に国を乗っ取られたのがウイグル。ウイグルでは、政治家が中国人を呼び込み、国内に中国人コミュニティーができた。すると、ある日突然、彼らが手のひらを返して『ここは自治区だ』と言い始めた。(中略)気がついたら中国が政権を取って、ウイグルは国を乗っ取られた」
「『盲目の人権活動家』と呼ばれる中国人、陳光誠(ちん・こうせい)氏ともアメリカでお会いした。中国政府は一人っ子政策を推し進めるため、2人目の子供を妊娠した女性を拉致し、胎児の頭に注射を打って強制堕胎させる。もし生まれれば、子供の首を捻って殺してしまうという。陳氏はこれと戦った」
「私たち(幸福実現党)は、全ての人は神の子仏の子だと信じている。だからこそ、自分と同じ人間が専制国家から弾圧されているのを見て見ぬふりはできない」
釈党首の講話の後、笠原氏が衆院選に向けた決意を語り、セミナーを締めくくった。
8年間ぶれずに国防を訴え続ける幸福実現党
いつミサイルが日本に飛んでくるかも分からない中、安倍晋三首相は「国民の信を問う」という名目で解散総選挙を宣言した。小池百合子東京都知事も「希望の党」を立ち上げ、自民党に対抗する「二大保守勢力」を演じている。さらに、民進党は「希望の党」と「立憲民主党」に分裂し、どの議員も議席を死守しようと必死だ。
政局が混乱を極める中、幸福実現党は8年間ぶれることなく、真正面から国防を訴え続けている。どの政党が国民の命を守り得るのか、冷静な判断が求められる。
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