【ミサイル避難】Jアラートから着弾まで3分――生存率を上げる33の行動

2017.08.30

2017年7月号記事 再掲

保存版

「北朝鮮からミサイルが発射された模様です。頑丈な建物や地下に避難して下さい」

29日の午前6時すぎ、全国瞬時警報システム(Jアラート)が発令された。その地域は、ミサイルが上空を通過した北海道を含む12道県の計617市町村。

今回、ミサイルは3つに分かれて落下した他、アメリカの軍事専門家は「北朝鮮には、36発同時に発射できる能力がある」とも分析している。多数のミサイルが同時に発射されれば、自衛隊の迎撃体制は突破され、日本領土に着弾してしまう。

2017年7月号記事「北ミサイルから家族を守る 生存率を上げる33の行動」を改めて紹介したい。

「核」着弾まで3分。その時、何をする?

北ミサイルから家族を守る

生存率を上げる33の行動

「火遊びだ」と思っていた北朝鮮のミサイルの脅威が、ついに日本を脅せる時代に入った。

日本は国防を強化すべきだが、一方で、最悪の事態への備えも考えなければならない。

日本が火の海にならないようにするには。

1 衝撃波から身を守る

爆心地付近の人の約9割は、爆発時の熱線(閃光)と衝撃波で死亡する。

着弾前は「いかに熱線・衝撃波を避けるか」を考える。

近隣国からミサイルが発射された場合、全国瞬時警報システム(Jアラート)が鳴ることになっているが、鳴り始めてから着弾までは最大で2~3分だ。

核爆発の瞬間に出る眩しい閃光にさらされれば、致命傷の火傷を負う。上空には、太陽と同じほどの超高温の火球が出現し、コンクリートをも粉砕する衝撃波が人々を襲う。

「ミサイルが発射されたかもしれない」という警報を聞いたら、一刻を争う事態なので、即座に避難を始めよう。正しい知識を持って初期動作を正確に行えば、生存確率は大幅に高まる。下のチェックポイントを読み、いざという時にどう動くかを日頃からイメージしておくことをお勧めしたい。

2 火災・放射線から身を守る

熱線と衝撃波を生き延びることができた後は、「いかに火災と放射線から身を守るか」を考える。

爆心地付近では熱線によって火災が発生する。また、放射性物質を含んだ核の灰や雨が降る。これらを避けるため、速やかに避難する必要がある。

地下鉄内の放射線量は、地上の1万分の1以下なので、火災と放射線を避けるには、地下を通って脱出するのがベスト。残留放射線は爆発後約1時間で急速に減衰するので、やむをえず屋外に出る場合でも、火災の気配がなければ、しばらく屋内で待機した方が安全だ。

避難場所は、食料や水などが手に入る自宅が望ましい。放射線を浴びても、早めに除染することで被害を抑えられる。以下、火災・放射線から身を守る方法や除染について紹介する。

3 化学兵器から身を守る

北朝鮮の脅威は「核兵器」だけではない。

もし化学兵器による攻撃を受けたら、どう対処すべきか。

北朝鮮は猛毒のサリンやソマン、VXガスなどの化学兵器を持っていると見られる。

ミサイルが着弾する前には、核兵器なのか化学兵器なのかを見分けることはできない。爆発の規模が小さければ、化学兵器である可能性が高い。国内に入り込んだ工作員による化学兵器のテロもあり得る。

化学兵器の場合、ガスは低い場所を中心に広がるため、避難の方法は核兵器の場合とは異なる。

早く治療すれば、重症化を防げる場合もあるため、症状が出たらすぐに警察や消防に通報することが大切だ。化学兵器の被害を防ぐためのポイントと、主な症状を紹介する。


Interview

正しい知識と初期動作が生死を分ける

核放射線防護学の第一人者が語る、核攻撃などの緊急時に気をつけたいポイントとは。

札幌医科大学教授

高田純

(たかだ・じゅん) 理学博士。専門は放射線防護学。世界各地の放射線被害を調査・研究している。著書に『東京に核兵器テロ!』(講談社)、『核爆発災害』(中公新書)など多数。放射線防護情報センターサイト

http://rpic.jp/

多くの人は「核攻撃で怖いのは放射能だ」と思っています。しかし爆心地近くの約9割の人は最初の熱線(閃光)と衝撃波で死にますので、最初に正しい行動をとれるかどうかが生死を分けます。

避難するには、「Jアラート」が作動することが前提です。しかし、もし鳴ったとしても「着弾まで最大約3分間しかない」と見られます。発射直後に鳴るのではなく、約5分後、ミサイルの先端の核弾頭が切り離されて放物線を描いた時にようやく着弾場所が推測できるからです。

政府の課題は、ミサイル発射情報を早く、正確に、確実に、危険区域の国民全員に届けることです。今の体制では不十分です。

核防災の基本は「屋内退避」

爆心地付近で屋外にいては確実に死にますので、個人としては地下か頑丈な建築物の中に逃げ込む「屋内退避」が基本となります。屋内では、とにかく窓がない場所を見つけて床にうつ伏せになり、目と頭を覆います。これをすれば助かる可能性が大幅に高まります。地下に逃げる余裕がある場合は、閉じ込められる恐れがあるエレベーターではなく、階段を使います。

電車に乗っている場合もありますが、Jアラートが鳴ってすぐに電車を止めるのではなく、駅まで走らせるべきであり、駅係員の訓練が必要です。

爆発後、爆心地から人を逃がすには「地下鉄での脱出」が必要です。爆心地付近は、地上が火の海になりますし、地下なら放射線防護もできるからです。私は政府に「自衛隊が地下鉄を運行すること」を提案しています。地下鉄が時速5キロでも動けば、生き残った人を避難させることができます。

帰宅後は、リアルタイムで情報を得ながら、徹底して除染を行います。私が運営している「放射線防護情報センター」のサイトで24時間の予測線量レベルを公開していますので、参考にしてください。

最後は精神的な力が試されます。核爆発に遭っても、最後まで生き延びることを諦めないことが肝心です。(談)

(本企画の全文は以下の有料会員限定記事で公開中)

2017年7月号記事 「核」着弾まで3分。その時、何をする? 北ミサイルから家族を守る 生存率を上げる33の行動 Part.1

http://the-liberty.com/article.php?item_id=13045

2017年7月号 「核」着弾まで3分。その時、何をする? 北ミサイルから家族を守る 生存率を上げる33の行動 Part.2

http://the-liberty.com/article.php?item_id=13044


タグ: 自衛隊  核弾頭  核ミサイル  テロ  化学兵器  高田純  著名知識人  迎撃  Jアラート  札幌医科大学  北朝鮮  2017年7月号記事 

「自由・民主・信仰」のために活躍する世界の識者への取材や、YouTube番組「未来編集」の配信を通じ、「自由の創設」のための報道を行っていきたいと考えています。
「ザ・リバティWeb」協賛金のご案内

YouTubeチャンネル「未来編集」最新動画



記事ランキング

ランキング一覧はこちら