週刊新潮7月9日号(2日発売)が、科学哲学者で國學院大学教授の高橋昌一郎氏の連載コラム「反オカルト論」の中で、大川隆法・幸福の科学総裁の霊言を茶化すなど信仰を冒涜する記事を掲載した。この趣旨の記事は今回で3週連続となった。

同コラムで高橋氏は、架空の人物の対話形式で、幸福の科学の本尊である大霊「エル・カンターレ」という呼び名に、イタリア語で「歌う」を意味する「カンターレ」をひっかけて茶化している。

それ以前にも、スピリチュアリズム運動そのものを否定したり、STAP細胞の研究者である小保方晴子氏を一方的に犯罪者扱いし、小保方氏の守護霊を呼んだ大川総裁を「騙された」と指摘するなどしてきた。

「オカルトと宗教」の違いが分からない高橋氏

どうやら高橋氏は、「オカルトと宗教」「カルトと信仰団体」の違いを分かっていないようだ。

オカルトという言葉はもともと「隠されたるもの」という意味であり、オカルティズムは「神秘主義」「神秘思想」という意味がある。現代では、怪奇現象などのおどろおどろしいものとして捉えられているが、高橋氏は幸福の科学に後者の低俗なイメージを当てはめているのだろう。また、カルトとはオウム真理教に象徴されるような、狂信的、排他的、独善的、閉鎖的な教団を指す。

しかし、幸福の科学はエル・カンターレを中心とする信仰団体であり、大川総裁はこれまでに2300回にわたる説法や1900冊を超える書籍を発刊し、そのうち霊言シリーズは5年半で350冊以上を刊行。書籍は英語や中国語など27言語に翻訳され、世界中に1000万人以上の信者を持つ。

大川総裁や幸福の科学グループの活動と、オカルトやカルトの区別をつけられないのであれば、その時点で高橋氏は、自らの言論を公にする資格がない。「言論の自由」は悪口を言う自由でも、嘘の記事を書くような無制限の自由でもない。それは、この記事を載せた週刊新潮側にも言えることだ。

世界のキリスト教徒やイスラム教徒の前で「霊言」を茶化せるか

そもそも高橋氏や週刊新潮は、霊言などの神秘的な現象が理解できないようだが、キリスト教やイスラム教などの世界宗教は、イエスやムハンマドが神の声を伝えたことから始まった「霊言宗教」である。

イエスは何度も「天の父が自らのもとにやって来て、この言葉を語っている」という趣旨のことを述べているし、イスラム教は、アッラーが通信役の大天使ジブリールを通じて、ムハンマドに言葉を下ろしている。その内容が聖典『コーラン』である。宗教は天の声を霊言の形で伝えるところから始まっているものが多い。

こうした歴史的な事実を踏まえた時に、高橋氏や週刊新潮は、世界のキリスト教徒やイスラム教徒に対しても、同じように霊言現象を茶化せるのか。週刊新潮の記事は、宗教的な見識が不足しており、信仰者に対する節度がまったく見られない。

また、キリスト教には、「イエス・キリストは処刑の3日後に行き返り、500人の前に姿を見せた後、天に昇った」「キリストは湖の上を歩いた」という奇跡をはじめ、「生まれつきの盲人を見えるようにした」「パウロは白光で目が見えなくなったが、アナニアの奇跡で治った」などの病気治しも起きている。

こうした奇跡、霊・神秘現象についても、高橋氏は頭ごなしに否定すべきではないだろう。なぜなら、諸学問の始まりは、宗教的な真実を頭ごなしに否定せず、さらに深く探究しようとする試みであるからだ。西洋の大学も、元をたどればエリウゲナやトマス・アキナスなどの宗教者が、神学や哲学を学問的に探求しようとしたスコラ学に端を発する。

大川総裁の霊言の驚異的な先見性・有益性

これまでに大川総裁が行った霊言の内容を見てみると、その先見性や有益性に改めて驚かされる。

例えば、オバマ氏がアメリカの大統領に就任する直前の2008年11月に行われた、オバマ氏の守護霊霊言では、「将来、アメリカは『世界の警察』ではなくなる」と明言。2013年9月、オバマ大統領はシリア問題に関するテレビ演説で、「アメリカは世界の警察官ではない、との考えに同意する」と述べた。

また、中国の習近平・国家主席が最高指導者になる2年以上前の2010年10月、習氏の守護霊霊言を行った。当時は習氏についての情報が少なく、「親日家」と伝えるメディアもあったが、霊言では、「かつての大唐帝国や元朝のような世界帝国を建設して、『中国の時代が来た』ということを世界に告げたい」などとその本心が明らかになった。

実際に、2013年に国家主席に就任すると、習氏は日本との間で尖閣問題や反日暴動を起こしたり、南シナ海の岩礁に滑走路を造るなど、強大な武力を背景にした「大中華帝国」の野望をむき出しにしている。

言論・表現の自由を盾に、信仰を冒涜する風刺画

高橋氏は記事で再三、小保方氏をやり玉に挙げるが、STAP細胞の検証実験は24時間監視体制で、溶液の調整すら許されないなど極めて不自由で、実験後、理化学研究所の関係者すら「犯罪人扱いしたような形で科学の行為を検証することは、科学にあってはならないこと」と反省の弁を述べるほど厳しい環境で行われた。

今年6月には、昨年4月に引き続き、小保方氏の守護霊霊言が行われたが、そこで小保方氏の守護霊は何度も「それでもSTAP細胞はあります」と主張し、疑われているES細胞の窃盗や混入については完全に否定している。

霊言では、この騒動で科学の進歩が少なくとも10年は遅れたと指摘されたが、STAP問題については、もう少し長い目で見守る必要がある。

高橋氏の記事は、一見学問的な態度で批判しているようにも見えるが、実際の内容は、「人間は、何を信じて生きるのも自由だからね」「その本、書名からして、意味不明じゃないか?」など、極めて個人的な狭い常識や先入観に基づいて、笑いのタネにしようとしている。

その本質は、言論の自由を盾に信仰を冒涜する風刺画と変わらず、"科学哲学者"と自称する者が書いたものとは思えないほど見識に乏しい。現代人を迷わす哀れな研究者と言わざるを得ない。

もちろんこうした記事が載る背景には、これまで幸福の科学を誹謗中傷してきた「週刊新潮」編集部の意向も働いているだろう。だが彼らは、多くの人々を幸福にしようと活動している宗教に罵詈雑言を浴びせることで、世の中にどのような価値を生み出そうとしているのか。

記事を使って個人や団体を社会的に抹殺する"現代の神"になろうとしているとしたら、それが誤った考えであることに早く気づくべきだ。

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