STAP細胞の論文で理研を退職した小保方晴子氏の弁護団が、NHKと理化学研究所に対し、抗議文を送付したことが分かった。これは、昨年11月の理研の調査委員会で、小保方氏が「(細胞が死ぬときに光る)自家蛍光なんじゃないかとか、そこまでは思っていなかった」と証言したことについての3月のNHKの報道に関するものだ。

ある細胞がSTAP細胞であることを示す根拠の一つは、細胞が緑色に光るという現象がみられるかどうかである。ただし、細胞が死ぬときにも同様の緑色の光を発することが知られているため、確認が必要になる。

小保方氏は昨年4月の記者会見で、「自家蛍光とは違うことを確認している」と述べていた。NHKは、ニュース番組とネットニュースで、これら2つの発言が「矛盾している」と断じ、批判的に報道していた。

しかし、弁護団によれば、自家蛍光の有無を確認する方法は「赤フィルターを使用する」方法と、「蛍光波長を測定する」という方法の二種類があり、小保方氏は論文投稿時、前者の方法を選択していたという。冒頭でも紹介した小保方氏の証言は、「蛍光波長を測定する方法でも確認をすることができれば最善だった」という趣旨だったとし、「誤った印象を流布した」として、NHKの報道姿勢を非難した。

また弁護団は、公開しないことを前提として実施したヒアリングがNHKに流出したことから、理研の情報管理の体制も批判。小保方氏の代理人である三木秀夫弁護士は、「メディアや理研からの度を超した個人攻撃に耐えかね、小保方さんの心身は極めて不調です」と、動けない状態であると回答。小保方氏はNHKの報道に、「事実をねじ曲げてまで個人攻撃をするのか」と激しいショックを受けているという(弁護士ドットコムニュース)。

NHKは昨年7月末、「STAP細胞 不正の深層」と題した番組を放送した。小保方氏ら関係者が意図的に不正を行ったかのような番組構成で、小保方氏と故笹井氏が不適切な関係にあったかのような演出までなされた。番組放送の約一週間後、笹井氏は自殺。直接の関連は定かではないが、不正を前提とした一連の報道が、関係者を追い詰めたことは確かだろう。

小保方氏に対して理研は、論文の掲載費用の60万円を返還するよう請求することで、この問題を幕引きさせようとしているようだ。ただ、本当に研究者の発言が、メディアと理研を通るうちに「改ざん」されてしまったのであれば、これこそ看過できない問題だ。

1日に就任した理化学研究所の新理事長である松本紘氏は、不正防止のための取り組みを目指すと発言しつつ、「研究者を縛り付ければ、豊かな成果を失う」と、研究者を性悪説で管理することへの危惧を示している。理研はもちろん、「失われた信頼を取り戻す」と不正防止に息巻く日本の科学界には重要な視点と言えるだろう。

NHKにはこの報道について、誠実な説明を求めたい。また、理研には、ミスを理由に可能性のある科学者を葬り去る組織ではなく、より良い研究成果につなげる組織へと生まれ変わることを望みたい。(晴)

【関連書籍】

幸福の科学出版 『小保方晴子さん守護霊インタビュー それでも「STAP細胞」は存在する』 大川隆法著

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幸福の科学出版 『「嫉妬・老害・ノーベル賞の三角関数」守護霊を認めない理研・野依良治理事長の守護霊による、STAP細胞潰し霊言』 大川隆法著

http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1145

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