展示に見入る人々(左)と原爆展を1面で紹介した地元紙「The Garden Island」(右)

広島・長崎への原爆投下から70年が経過した今年、アメリカ・ハワイで原爆展が開かれた。この原爆展は6月15日から17日にかけてカウアイ・ベテラン・センターで開催され、幸福の科学の会員有志らが運営するエル・カンターレ財団が主催した。

展示内容は、広島の原爆投下後の写真や、広島で被爆後、白血病で亡くなった少女「佐々木貞子」が折った千羽鶴のパネルなど。貞子の生涯を描いたアニメーションも上映した。

「2国の架け橋になりたい」との気持ちから実現

「原爆の実態を知ることで、平和について深く考える機会としたい」という趣旨の展示に、カウアイ・ベテラン・センター・ミュージアムが「2国の架け橋となりたい」と賛同し、企画が実現した。

展示会場であるカウアイ・ベテラン・センターの「ベテラン」とは、退役軍人を指す。原爆展には、孫を連れた退役軍人が多く訪れた。彼らは口々に、「ハワイでは、戦争を話題にしてはいけない空気があります。このままでは、次の世代は戦争のことを何も分からないままになってしまう」「教訓として、次世代に残していきたい。『語ってはいけない』という状況も、変えなくてはいけないと思う」と述べた。

「原爆投下の事実と本気で向き合う時が来た」

新聞記者も訪れ、「原爆投下の事実と本気で向き合う時が来たと思います」「貴重な資料をありがとう」との感想を口にし、翌日の地元紙の一面で原爆展の様子が報じられた。

この報道をきっかけに、戦前にハワイに移住した日系人の子孫で、親戚が広島に住んでいるという人も来場した。原爆を投下した爆撃機エノラ・ゲイ操縦者の友人という人も来場し、「彼が良心の呵責に苦しんでいたのを知っている」と涙ぐんだ。

同財団の櫻井良恵氏は、「アメリカにとって原爆の話題はタブーでしたが、変わらないといけない。『原爆投下はいけないということを言える社会になりたい』という意識が生まれているようです」と語った。

同財団は20日に、カウアイ・リエフにあるハピネス・プランティング・センターでも原爆展を開催する。

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