内閣府の重要政策に関する会議で、2015年度の経済財政運営の指針の骨子が示された。
「2020年度に国と地方の財政収支を黒字化する」という目標の達成に向け、「経済再生なくして財政健全化なし」を基本方針とした内容となっている。経済成長により税収を増やしつつ、社会保障費の歳出を見直すことが今後の最大の焦点になる。
しかし、内閣府の試算によると、高い成長を実現した場合でも、国と地方の基礎的財政収支は2020年に9.4兆円の赤字となるという。財政収支の黒字化を目指すことで経済が縮小するようなことがあってはならないが、黒字化を目指すなら社会保障費に関して抜本的な変革が必要となる。
自分の健康に責任を持つことが医療費問題の解決につながる
厚生労働省の有識者懇談会は、増え続ける医療費の抑制のために、いわゆる団塊ジュニアが65歳になる2035年までに、以下のような制度の改革に取り組む提言をした。
- 新薬を使う患者の自己負担率を高め、割安なジェネリック(後発)医薬品の普及を強化する。
- 都道府県によって一人あたりの医療費負担の平均がおよそ1.6倍も異なる現状がある。そこで、人口構成などをもとに医療費の総額を地域ごとに算定し、総額を上回った場合は、地域全体の医療機関に支払う診療報酬を引き下げる仕組みの導入を検討。
- 入院患者の自己負担を引き上げる一方、在宅で治療を受ける患者の自己負担は引き下げることで、入院の長期化を抑えることを検討。
- かぜなどの軽症の患者の自己負担の割合を高くする。
- たばこ税や酒税に加え、心筋梗塞などのリスクを高めるとされる「トランス脂肪酸」を含む食品などへの課税強化を検討。
今回政府が出した提言で、地域ごとの医療費総額を減らすように努力を促す考え方や、患者の自己負担を高めて「自己責任」の考え方を国民に持たせる仕組みづくりは評価できる。実際、長野県は予防医療の普及で医療費を削減したモデル都市だ。軽症でも大病院を受診する患者によって医療費が増大していた現状も、予防医療の普及と、健康管理への自己責任感を高めることで改善が期待できる。
医療費問題の根本解決には「霊的人生観」の普及が鍵
幸福実現党では、人間の本質は肉体ではなく霊であり、何度も生まれ変わってこの世とあの世を行き来しながら、魂修行をしているという「霊的人生観」に基づいて、医療問題についても提言を行っている。(※)
すべての人はこの世に使命を持って生まれている。その使命を果たすためには、病気にならないための生活習慣を心がけることが必要だ。政府としても、予防医療を発展させる仕組みづくりが求められる。
また、病気の原因は肉体のみにあるのではなく、心の持ち方とも大きく関係がある。周りを攻撃する思い、嫉妬心、恨み心、自己破壊想念などを長く持ち続けることで、病気になるケースも多い。病気の根本原因をなくすためには、自らの心を点検し、極端な部分を正すことも必要だ。
医療費問題解決のためには、「自己責任」の考え方に基づく新しい医療制度づくりと共に、こうした「霊的人生観」を広げ、国民の意識を変えていくことが求められる。(真)
※詳しくは、本誌2015年7月号「幸福実現党の設計図2025 第3回『医療負担はもっと安くできる』」をお読みください。
【関連記事】
2015年7月号記事 医療負担はもっと安くできる - 幸福実現党の設計図 2025 第3回
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2015年5月28日付本欄 医療制度改革法が成立 持続可能な医療保険には根本的な意識改革が必要
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2015年5月3日付本欄 給料の9%は医療保険? 医療費削減には国民と医療機関の「自助努力」が必要