ざっくり言うと

歴史問題の解決を明確に主張するのは、自民党、次世代の党、幸福実現党。

民主党、共産党、社民党は、「河野・村山談話」を堅持。

でも、日本の誇りを取り戻すには「河野・村山談話の白紙撤回」が必要。

中国や韓国は、南京大虐殺や従軍慰安婦という「戦後のつくり話」を国際社会で広め、日本を貶めています。来年は戦後70年の節目の年。中国や韓国は、アメリカを巻き込んで、改めて「やっぱり日本は悪い国だ」というレッテルを貼ろうとしています。でも、ウソの歴史を受け入れれば、国防の危機にもつながります。マニフェストなどを参考に、各党の考えを比較してみます。

保守とリベラルで違いがハッキリ

まず、自民党のマニフェストには、対外発信の重視が強く打ち出されています。「虚偽に基づくいわれなき非難に対しては断固として反論し、国際社会への対外発信等を通じて、日本の名誉・国益を回復するために行動します」「日本の『正しい姿』や多様な魅力を世界に伝える拠点として『ジャパン・ハウス』(仮称)の主要国への設置を検討する等、戦略的対外発信機能を強化します」。

石原慎太郎氏を旗頭にする次世代の党も、「いわゆる慰安婦問題等について歴史的事実を明らかにし、日本国及び日本国民の尊厳と名誉を守る」としています。維新の党は、歴史問題についてマニフェストに目立った表記はありません。リベラルの江田憲司氏率いる結いの党との合併によって、橋下徹共同代表の保守色が薄まった感じがあります。

最大野党の民主党は、海江田万里代表が9月の衆院本会議で、中韓に対する安倍晋三首相の言動を「無用の挑発」と批判しました。要するに、「自虐史観を維持して、中韓に謝り続けろ」ということでしょう。共産党や社民党は、先の戦争を「侵略戦争」と位置付けて、河野・村山談話の堅持を主張していますが、民主党もこれに近い考えです。

際立っているのが、幸福実現党です。自虐史観の象徴と言われる「河野・村山談話」について、白紙撤回せよと主張。アメリカなどでの慰安婦像設置に対し、徹底して抗議するとしています。また、「中国政府による南京事件、慰安婦問題に関する資料のユネスコ記憶遺産への登録阻止」。そして、「(慰安婦問題や戦争について謝罪した)河野・村山談話の白紙撤回と新たな公式談話の発表」にまで踏み込んでいます。

「河野・村山談話の見直し」で腰が引けていく安倍首相

では、保守系の各党は、「河野・村山談話」について具体的にどう考えているのでしょうか。

自民党の安倍首相は、2012年の自民党総裁選で、従軍慰安婦の強制連行を認めた河野談話について、「(強制連行を)事実上証明する資料はなかった」「新たな談話を出すべきではないか」と、見直しに言及していました。

ところが、その後、民主党から政権を奪還し、国内外のメディアから批判を浴びると、どんどん腰が引けていき、今年3月には、「(河野談話は)安倍内閣で見直すことは考えていない」とし、8月の終戦の日の靖国神社参拝も見送り、11月の日中首脳会談では、習近平・中国国家主席に「村山談話」を継承する考えを伝えています。

次世代の党は、山田宏・幹事長が、10月の衆院予算委員会で、「河野談話を認めない」「河野氏が勝手に強制連行を認めてしまった」と話し、河野洋平・元官房長官を参考人招致するよう求めるなど、この問題を追及しています。

幸福実現党は口だけでなく、実際の行動でも示しています。例えば、今年4月、全国で集めた13万筆を超える「『河野談話』の白紙撤回を求める署名」を、内閣府を通じて安倍首相に提出するほどの「本気度」を見せています。また、それに先立つ昨年7月、同党の創立者である大川隆法・幸福の科学総裁は、日本の誇りを取り戻すために発表すべき首相談話の参考として、「大川談話―私案―」を発表しています(下記、関連記事参照)。

日本の誇りを取り戻すために「河野・村山談話の白紙撤回」は不可欠

「河野・村山談話の白紙撤回」をしなければ、このような慰安婦像が世界中につくられてしまうのでは?

冒頭でも紹介したとおり、自民党は対外的な発信を強化するとしていますが、いくら発信を強化しても、海外の人から「従軍慰安婦は、日本政府が河野談話で認めているじゃないか」「先の大戦は日本の侵略戦争だったと、日本政府が村山談話で認めているじゃないか」と言われてしまえば、反論できません。

本気で歴史問題を解決するには、「河野・村山談話の白紙撤回」が不可欠です。それは、日本の誇りを取り戻すとともに、正しい歴史観を持った国際人を育て、日本と世界を発展へと導くことにもつながるはずです。

2014年衆院選 歴史問題 各党政策比較

歴史問題
自民党 虚偽に基づくいわれなき非難に反論。国際社会への対外発信の強化
ジャパン・ハウスを海外に創設
公明党 中国と韓国に慰安婦や歴史認識に関して歴代内閣の立場を安倍政権が継承していることを説明(※)
幸福実現党 河野・村山談話の白紙撤回
対外発信力強化、国際的世論形成
海外の反日運動への抗議
民主党 安倍政権の歴史認識に関する言動が、無用な挑発とされ、日本のイメージダウンに利用されると批判(※)
維新の党 河野談話見直しを求める国民運動を展開(※)
自虐史観の見直しを主張。(※)
次世代の党 歴史問題に関わる対外広報の強化
慰安婦問題等について事実を明らかにし、日本人の名誉を守る
共産党 侵略戦争の美化は許さない
靖国参拝反対
河野・村山談話の堅持
社民党 戦後処理の全面解決
侵略戦争の反省からできた平和憲法を深化すべき→村山談話堅持(※)
生活の党 安倍首相の歴史観は危険「慰安婦や靖国神社に対して客観的な判定をしていない」(※)
比較の
ポイント
(対立軸)
河野談話破棄vs.撤回
自虐史観破棄vs.維持
中国、韓国に妥協するか否か
対外発信力強化の具体性
※印は、党首発言など党のスタンス。

【関連記事】

河野・村山談話は無効である 歴史問題を永遠に葬り去る 大川談話―私案― (2013.9月号本誌記事)

http://the-liberty.com/article.php?item_id=6391

米国の著名ジャーナリストが「慰安婦問題は日本叩き」 (2014.11.01付本欄)

http://the-liberty.com/article.php?item_id=8672

2015年世界はこう動く 第1部 自民党 vs 幸福実現党 - アベノミクス・安倍外交の次はコレだ!  (2015年1月号記事)

http://the-liberty.com/article.php?item_id=8766

自民党が選挙後 幸福実現党を後追いする理由 (2014年6月号記事)

http://the-liberty.com/article.php?item_id=7727