日本小児科医会は来月から、スマートフォンを過度に使わないよう保護者に注意を呼びかける啓発活動を行う。赤ちゃんを泣き止ませようとスマホを見せる、子供にスマホを渡して一人遊びさせる、ベビーカーなどを押しながらスマホを操作するといった行動を控えるよう促す内容。小児科医院などに、ポスターを掲示する予定だ。

ベネッセが3月に行った調査では、スマホを使う母親は30歳未満で80.2%に上り、母親がスマホを使っている2歳児の20%以上が、ほぼ毎日スマホに接しているという。

この頃では、子守りに役立つアプリも豊富で、スマホを子供に渡して遊ばせる母親も多い。パズルや絵本のほか、クリスマス・ツリーにデコレーションしたり、花火を打ち上げたりと、子供の興味を引く多様なアプリが存在する。

だが、いくら便利とはいえ、スマホを与えて子供を放っておいては、大切な親子のスキンシップやコミュニケーションの時間が減ってしまう。子供の感情や情操の発達への影響も気がかりなところだろう。

また、3歳児の約2%に、視力の発達が遅れる弱視が見られるとも言われるが、子供の目の発達にスマホがどう影響するかも懸念されるところだろう。

愛情あふれる関係を築き、子供を育んでいくのは、あくまでも親の仕事であり、ITがいくら発達してもそれは変わらないだろう。子供は、親の真似をしながら育つ部分も大きい。子育てにおける、スマホとの付き合い方を探っていく必要がある。

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