2013年8月号記事
2013年参院選 幸福実現党が自民党よりスゴい5つの理由(期間限定無料)
7月の参院選で大勝をねらう安倍自民党だが、歴史認識や憲法改正問題で、国内外の批判を浴びると腰が引け始めた。一方、幸福実現党は2009年の立党以来、国防や経済など様々な政策でブレずに主張を続ける。自民党をはじめ、与野党から政策を真似される幸福実現党のどこがスゴいのか、に迫った。
(編集部 山下格史、河本晴恵、居島有希)
21世紀、世界をリードする政党はどこ?
5 防衛・外交
自民党 宇宙で米中対決を想定せず
幸福実現党 中国の宇宙軍に備える
(1)宇宙軍をつくる中国 国防費を減らすアメリカ
沖縄選挙区
金城竜郎
沖縄で普天間基地の辺野古移設を主張
沖縄を含む南西諸島は国防上、重要な地域だ。中国は、ここを手に入れれば堂々と太平洋に出ていくことができ、逆に日本は国家としての存立が危うくなる。
参院選を前に、沖縄に駐留する米軍の普天間基地の移設先を巡り、自民党本部と沖縄県連が割れている。党本部は辺野古移設を掲げるが、県連と沖縄選挙区の立候補予定者の安里政晃氏は県外移設を主張。政権与党が県連すら説得できずに国を守れるのか。
これに対し、沖縄選挙区から立候補予定の幸福実現党の金城竜郎氏は2009年衆院選、10年参院選と県知事選、12年衆院選でも一貫して、辺野古移設を主張。中国の脅威の存在と沖縄が果たす国防の役割の重さを訴えてきた。
東日本大震災後には、自ら米国総領事館を訪れ、「トモダチ作戦」に対する感謝の意を示した。昨夏にも宜野湾市内で数万人が集まった「オスプレイ配備反対集会」で、支援者と共に、真逆の主張である「配備賛成」の横断幕を掲げるなどして、日米同盟の必要性を訴え続けている。
中国は5月、「観測目的の実験」としてロケットを打ち上げた。だがこのロケットが静止衛星軌道に近づくルートを取ったため、各国の政府やメディアは、「衛星攻撃兵器開発のためのミサイル実験だ」と、警戒感を強めた。
日本は中国の海洋進出に目を奪われがちだが、 中国は陸・海・空に続いて、宇宙空間を「第四の戦場」、サイバー空間を「第五の戦場」と位置付け、ここでアメリカを凌駕することを目指す。
具体的には、アメリカの軍事力の源泉である人工衛星を潰し、アメリカの全地球測位システム(GPS)やミサイル防衛システムの無力化を狙う。すでに2007年に、自国の人工衛星の破壊実験を成功させており、20年までに有人宇宙ステーションを建設する計画だ。
また中国は、サイバー攻撃によって米政府や企業から、兵器その他の技術情報を盗んでいると言われる。アメリカが受けるサイバー攻撃の年間被害額は約30兆円で、そのうち70%が中国によるものという。
6月の米中首脳会談でも、この問題が議題に上ったが、オバマ米大統領は、習近平・中国国家主席をけん制する程度で、逆に習氏が「中国も被害者だ」と言い返した。20年頃に米中の国防費が逆転すると予測されているが、「弱米強中」の流れは変わらない。
(2)防衛費微増の自民党資金を創る幸福実現党
こうした情勢の中でも、政府・自民党の危機感は薄い。「国防はアメリカに任せ、日本は経済成長に専念する」という"吉田ドクトリン"から抜け出せず、アメリカが日本から手を引いたり宇宙空間が新たな戦場になる、近未来を想定できていない。
例えば安倍政権は、防衛費について当初予算から1千億円の増額を目指したが、400億円増にとどまった。また、防衛省が「1万8千人の増員が必要」(1月26日付産経新聞)としてきた自衛隊の定員数も、結局300人増となった。背景には、安倍政権が、予算を握る財務省を動かせていないという事情があるが、それは国防を真剣に考えていないことの裏返しとも言える。昨夏に発足した政府の宇宙政策委員会では、宇宙技術の防衛利用も議題に上るが、長年、自主規制してきた「宇宙の平和利用」の枠から抜け出せていない。
一方、国防強化が立党の大きな動機だった幸福実現党は、票につながりにくいと言われる国防政策を常に国政選挙の争点に掲げてきた。参院選の政権公約でも、防衛予算の倍増や、非核三原則と武器輸出三原則の撤廃、防衛産業などに10年間で100兆円投資する具体的な主張を展開。また自民党と違って、無利子・相続非課税の防衛国債を発行して財務省に縛られない財源を確保するなど、資金を集める仕組みも明確に訴えている。
また、宇宙空間での衛星破壊にも対応。先端的宇宙技術の開発を政策に掲げ、宇宙開発を推進するために月と火星の都市建設を国家目標とし、その資金調達に宇宙事業債を発行するという壮大なビジョンを描く。
幸福実現党は立党以来、有権者がまだ感じていない他国の脅威を、誰よりも早く察知して手を打とうとしている。国防強化には5年、10年単位の投資が必要で、今動かなければ間に合わない。その先見性が同党と他党との最も大きな違いだ。