2013年8月号記事
2013年参院選 幸福実現党が自民党よりスゴい5つの理由(期間限定無料)
7月の参院選で大勝をねらう安倍自民党だが、歴史認識や憲法改正問題で、国内外の批判を浴びると腰が引け始めた。一方、幸福実現党は2009年の立党以来、国防や経済など様々な政策でブレずに主張を続ける。自民党をはじめ、与野党から政策を真似される幸福実現党のどこがスゴいのか、に迫った。
(編集部 山下格史、河本晴恵、居島有希)
21世紀、世界をリードする政党はどこ?
2 歴史問題
自民党 自虐的な村山談話を受け継ぐ
幸福実現党 謝罪をやめ真実を世界に周知
批判を受けて、後退した安倍首相
- 2012年12月27日
- 菅官房長官が河野談話の見直し検討を示唆
- 12月30日
- 安倍首相が「安倍談話」発表に意欲
- 2013年4月21日
- 麻生副総理らの靖国神社参拝に韓国が反発
- 4月22日
- 韓国が尹炳世外相の訪日取りやめ
- 4月23日
- 安倍首相が「(村山談話を)そのまま継承しているわけではない」と発言
- 5月1日
- 米議会調査局が報告書で「(安倍首相は)修正主義的な歴史観を持っている」と指摘
- 5月7日
- 韓国の朴槿恵大統領が米韓首脳会談で、「日本が正しい歴史認識を持たなければならない」と発言
- 5月13日
- 橋下大阪市長が「慰安婦は必要だった」と発言し、 国内外から激しい批判
- 5月15日
- 安倍首相が村山談話を「全体として受け継いでいく」 と表明し、方針修正
(1)信念が疑われる 安倍首相の残念な変節
東京選挙区 釈量子
「猛女」の異名を取る釈氏は、歴史問題の真実を訴えるべく精力的に活動している。上写真:戦時中の満州での出来事を涙ながらに語る桂さん(左)に、じっと耳を傾ける釈氏。下写真:5月3日の憲法記念日には、都内で憲法改正を訴えた。
「村山談話については、全体として受け継いでいく」
安倍晋三首相は5月15日の参院予算委員会でこう述べ、植民地支配や侵略について日本が謝罪した村山談話を踏襲すると表明した。歴史問題で批判を受けた末の、苦渋の“変節"だった。
安倍晋三首相は、当初は村山談話を「そのまま継承しているわけではない」としていたが、海外メディアなどから「右翼の国家主義者」という批判を浴びせられトーンダウンしていった。
閣僚の靖国神社参拝に対し、韓国が外相の訪日取りやめなどで反発したことを皮切りに、アメリカも日本叩きに出た。米政府は非公式に日本への懸念を伝え、米議会調査局は報告書で、安倍首相を「修正主義的な歴史観を持っている」と糾弾した。
その結果、国内でも火だるまになった安倍政権は、選挙への影響も考慮して、冒頭のように村山談話を継承すると表明せざるを得なくなった。この腰砕けぶりでは、歴史問題を解決する信念が本当にあるか疑わしい。
ふらつく安倍首相とは対照的に、「自虐史観の払拭」を公約にまで記すのが、参院選で国政に4度目のチャレンジをする幸福実現党だ。4年前の立党以来、一貫して国防強化を訴えてきた同党は、今回の公約で歴史問題にも踏み込んだ。
「東京裁判史観の払拭」を掲げるその公約は、謝罪外交の負の遺産である宮沢談話や河野談話、村山談話の撤回とともに、対外発信力を強化して、南京事件や慰安婦問題が虚構であると世界に周知するとしている。
ここまで切り込むのはなぜか。東京選挙区で立候補予定の釈量子・同党女性局長はこう語る。
「日本人の名誉の問題です。今の日本人は嘘八百を言われても平気なのが習い性になっていますが、言い返すべきものに対しては言い返さないと、未来の子供たちに汚名を着せることになります。自虐史観から脱却し、誇りを取り戻さないと、この国は守れないということです」
(2)幸福実現党は歴史問題の真実を訴える
釈氏は支持者回りのかたわら、歴史問題の真実を訴えようと精力的に活動している。6月6日には詩吟宗家の桂心豊さん(91歳)から戦時中に満州に住んでいた当時の話を聞いた。
デザイナーだった桂さんは友達と外出中に「桃源郷」という遊郭を見つけ、好奇心で建物に入ったが中で迷子になった。幸い、そこで働いていた朝鮮人娼婦が外に案内してくれ、その際、桂さんは彼女の身の上話を聞いた。彼女は、貧しさから斡旋業者の募集に応じて自ら娼婦になり、親孝行のため家へ仕送りして家族も喜んでいたという。
お客さんの日本軍兵士はみな純情で、「今日はありがとう。明日前線に行くから、死ぬかもしれない。お金はもう要らないから全部使って」と、お金を置いていってくれる人もいたそうだ。
桂さんは「日本人が(慰安婦を)拉致して働かせたわけではありません。日本の汚名をそそぐために、これを言わなければ死んでも死にきれない」と力説する。
桂さんの話は満州の売春宿のケースだが、戦地の慰安所についても慰安婦は日本軍が強制連行したのではなく、民間業者の斡旋だった。誘拐行為に及ぶ悪質業者もいたが、日本はむしろ取り締まるよう通達している。慰安婦は大卒の平均月収の4倍をもらう高給取りで、「軍人相手の娼婦」というのが実情だった。
(3)平和に貢献する世界一の国を目指す幸福実現党
神奈川選挙区 及川幸久
米メリルリンチ社の元金融マンである及川氏は、時にアメリカへ乗り込んで直接交渉にあたる国際派。
上写真:会談を終えた及川氏(右)とKAPACのデイビッド・リー会長。慰安婦問題で日本に謝罪と賠償を求めるリー会長に対し、及川氏は韓国側の主張には証拠がないと反論した。
下写真:米ニューヨーク州にある全米2基目の「慰安婦の碑」を見る及川氏。日本軍が20万人もの慰安婦を拉致したと書かれている。
こうした証拠がありながら、慰安婦問題が尾を引いているのは、韓国の国策プロパガンダが一因だ。韓国政府は、歴史問題を国際広報する「東北アジア歴史財団」などを通じて、各国のNPOなどを巻き込みつつ、反日発信に力を入れている。「元慰安婦」のデモや講演活動なども、支援組織が背後にいるのは明らかだが、そこに韓国政府が絡んでいても不思議ではない。
韓国側の発信に対し、日本は事実関係を堂々と広報すべきだが、謝罪外交を繰り返した自民党政権にそれができるか疑わしい。 歴史問題は河野談話や村山談話などを発表してきた自民党政権の“ツケ" だからだ。
アメリカでは在米韓国人団体が「慰安婦の碑」を次々と造っているが、日本の外交当局は「日本は十分に謝罪している」と繰り返すばかり。河野談話に縛られ、慰安婦問題がつくり話であることを説明できていない。
謝罪外交の負の遺産を負う自民党とは対照的に、幸福実現党は過去の謝罪談話の撤回に加えて、「公正な歴史認識の共有に向けて、対外的な情報発信力を強化」と公約に書くなど熱心だ。
神奈川選挙区で参院選に立候補予定の及川幸久・幸福実現党外務局長は6月12日、米ニューヨーク州に慰安婦の碑を建てた在米韓国人団体「韓米公共政策委員会(KAPAC)」会長との会談に成功。平行線に終わった議論から、謝罪外交が世界に誤解を広めてきたことを痛感した及川氏は「この問題は日本が招いたもの。国際社会の理解を得ながら河野談話を撤回する方法を考えるべき」と語っている。
「日本を、取り戻す。」を掲げる自民党は、汚名をそそぎ、日本の名誉を取り戻すことを目指しているのだろう。だが この問題を根本から解決するには、幸福実現党が主張するように、日本が積極的に世界平和に協力するビジョンがどうしても要る。
日本が国防力を強化し、地域の平和維持に積極的に取り組むなら、日本が歴史問題でいわれのない攻撃を受ける筋合いはなくなる。 対日関係を損なえば、地域の安全保障に反するからだ。
中国の脅威に直面する東南アジア諸国からは、すでに日本の国防強化を待望する声が出ている。フィリピン外相は、日本の再軍備を「強く歓迎する」と明言。ベトナムなどとも、海上警備などで協力の流れが強まっている。
釈氏は「青い海に浮かぶ宝物のような日本の国を守り抜きたい。東アジアの安定を考えても、国防をしっかりすれば、戦争の危機が起こらなくなる可能性が高いと確信しています」と話す。
日本が国防力を高め、積極的に世界の平和に貢献する国になった時に、歴史問題は雲散霧消するに違いない。
目標は汚名返上だけ? 自民党
●村山談話など過去の談話を継承
●談話に縛られ、「南京大虐殺や慰安婦強制連行はつくり話だ」と対外発信できない
●対米追従の外交で、アメリカの批判に反論できない
世界に責任を果たす 幸福実現党
●村山談話など過去の談話を撤回
●南京大虐殺や慰安婦強制連行がつくり話だと国際社会に知らしめる
●世界の平和に責任を果たし 歴史問題は雲散霧消