EUの重債務国ギリシャ、ポルトガルおよびスペインと、支援国の中心であるドイツの違いは何か。同じキリスト教国でも、ギリシャはギリシャ正教、ポルトガルやスペインがカトリックなのに対し、ドイツはプロテスタントも多い(カトリックとほぼ同数)ことだ。英誌エコノミスト10月29日号の記事から紹介。

  • プロテスタント国がカトリック国やギリシャ正教国の債務問題に奮闘しているのを見ると、ある国民の働き方、貯金の仕方、消費の仕方などは彼らの属する宗派の影響を受けるという説が、改めて説得力を持ってくる。
  • 宗教が国民の意識に及ぼす影響に関して最も有名なのは、社会学者マックス・ウェーバーの説だ。ウェーバーは19世紀ドイツを観察し、プロテスタントがカトリックより経済的に成功しているのを見て、プロテスタントは経済的に繁栄することで自分が神に救われることを確かめるために熱心に働くのだと考えた。カトリックには罪を許す秘儀(mystical rite)があるが、プロテスタントにはないからだ。
  • ウェーバー説はラテン・アメリカの現状によく当てはまるとの指摘もある。少数派のペンテコステ派プロテスタントが、多数派のカトリック教徒より経済的に成功しているのだ。同様アフリカでも、上昇志向の強い人々の間では、貧困層の救済を強調するカトリックより、経済的成功と神の愛を結びつけるプロテスタントの「富の福音」(prosperity gospel)に人気がある。

幸福の科学の大川隆法総裁は、カトリック国の経済的停滞の理由として「原罪の思想」を挙げている(下記URL)。アダムとイブの罪から神によって救われるしかないという思想には、「人生は自分の努力と責任で切り開いていける」という発展の思想が欠けている。幸福の科学は、心正しき人々が経済的に成功し、発展途上の人々を助け導くことは善だと考える。21世紀のグローバル社会においては、多くの人々に正しい経済発展をもたらす宗教思想こそ人類を幸福にできるのだ。(司)

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