政府は14日、野田内閣の就任時の資産を公開した。野田首相の資産は1774万円で、家族分も公開の対象となった1989年以降、首相就任時では過去最少となった。

野田首相の資産は、千葉県の自宅の建物1056万円、土地458万円、定期預金200万円、乗用車3台を所有し、仁実夫人の資産は定期預金60万円。借入金は3385万円ですべて住宅ローン。車を除けば、差し引き約1600万円の借金となる。

歴代首相の資産順位を見ると、1位が鳩山由紀夫氏の14億4269万円と断トツで、2位が麻生太郎氏の4億5548万円、3位が宇野宗佑氏の2億9654万円と続く。今回の野田首相が最少の16位だが、その一つ上の15位は菅直人氏の2241万円だった。(15日付朝日新聞)

この野田首相の資産を見てどう感じるかは千差万別だが、日本の首相のスケールも小さくなったと感じるのは筆者だけだろうか。新聞各紙は、今回、閣僚の中で最も資産が多かった2億5436万円の山岡賢次・国家公安委員長の次のような弁明調のコメントを載せている。

「(義父で作家の山岡荘八氏らから)遺産で受け継いだもので、私が増やした分は事実上ない」

山岡氏の資産の中身の評価は別として、政治家がこうしたコメントをせざるをえないことが、今の日本を象徴している。悪いことをして私腹を肥やすことは許されないが、マルクス主義を学んできたマスコミや左翼勢力がつくりあげてきた「金持ちは悪」という価値観を払拭しなければ、今後日本はますます貧しくなっていくだろう。

今求められているのは、金儲けの上手な、国を富ませてくれるリーダーである。(格)