2026年5月号記事

ニッポンの新常識

軍事学入門 70

トランプ政権が進める「新型・中国封じ込め」

世界の流れを正しく理解するための、「教養としての軍事学」を紹介する。

劉易鑫

中興大学日韓総合研究
センター助理研究員

劉 易鑫

(リュウ・イーシン)台湾軍大尉で退役。中正大学東南アジア及び一帯一路地域政治経済研究センター執行秘書、SEED Academy台湾地区マーケティングマネージャー、聯合報教育事業部特約講師、淡江大学航空宇宙学科兼任講師を務める。

イラン情勢などが激変する中、アメリカはどのような世界秩序を構想し、動いているのか。昨年12月に公表した「国家安全保障戦略」は、それを考える上で必須の内容となっています。

発表された当初こそ、「アメリカは世界の諸問題の関与から手を引き、孤立主義に走るのではないか」と混乱が起こりました。しかし国際金融システムから撤退したり、海外の軍事的プレゼンス(存在感)を減らしたりしていません。孤立主義という言葉に引っ張られ、誤った印象が広がりました。しかしアメリカの新戦略が「中国をターゲットにしている」ことは、文書をよく読めば分かります。中国のシンクタンクも、「自国を戦略的・実利的に封じ込める狙いがある」と主張しています。