第2回国際フォーラム「メディアが報じない中国人権弾圧」が2月23日(月・祝)、東京都千代田区で開催された。「幸福実現党」と中国民主化運動組織の「民主中国陣線」の共催で行われ、第一部では在米人権団体「チャイナ・エイド」創設者兼会長のボブ・フー氏と幸福実現党政務調査会長の里村英一氏が講演。第二部では「民主中国陣線」副主席の王戴氏が加わり、パネルディスカッションを行った。

フー氏は中国山東省出身。中国人民大学を卒業後、中国共産党北京市委員会党学校で教鞭を取っていた。キリスト教に出会い、北京の家庭教会指導者だったが、「違法布教」の罪で投獄。釈放後はアメリカに亡命し、「チャイナ・エイド」を設立した。

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チャイナ・エイド創設者兼会長のボブ・フー氏。

2002年創設のチャイナ・エイドは、中国共産党の人権侵害を明らかにし、信教の自由と法の支配の促進に尽力する国際的な非営利キリスト教人権団体。迫害を受けている指導者と家族の救出と再定住を支援したり、迫害や不正の具体的な事例を告発している。フー氏はこれまで、アメリカ議会公聴会や委員会、国連などで証言や講演を行ってきた。

違法な布教活動の罪で投獄されたフー氏

フー氏はかつて無神論者で、中国共産党の教育制度の下、「自分自身と中国共産党を頼りに」生きてきた一方、幼少期から中国の現状を見て「社会を変えたい」という願いを抱いてきた。フー氏が大学生だった1989年、学生たちが天安門広場で反政府活動を始めたことに共感し、山東省の学生を率いて反政府運動に参加。天安門事件の3日前まで広場にいたという。

天安門事件後、当局がフー氏の捜査を進める中、フー氏はアメリカ人の英語教師が持ち込んだ山東省出身のキリスト教徒の信仰体験の本に出会い、「人間の本質をより深く理解し、自分の人格で他人を変えることができるのか、強く自問するようになった」という。フー氏は「自分の人生を完全に神にささげる」ことを決意し、北京の古い工場で洗礼を受けた。

大学卒業後は、北京市の党学校で英語を教えながらも、夜間と週末は地下教会の牧師をつとめていたが、「違法な布教活動の罪」で投獄され、96年まで投獄された。獄中でフー氏は「宗教の自由と良心の自由がなければ、他の自由は真に実現できない」ことを深く理解し、97年にアメリカに亡命した後、チャイナ・エイドを設立した。

「信仰が、習近平や中国の社会主義に置き換えられようとしている」

中国では中国共産党の公認教会のみ認められているが、そこでは説教壇に毛沢東と習近平の写真を掲げることが義務付けられている。講演でフー氏は「これは信者が礼拝を始める際、天地を創造し、私たちに啓示を与え、導いてくれた神を崇拝してはならないということ」が主旨であると解説した。

習近平氏が権力の座について以降、教会の「十字架の撤去」が進んでいる。自主的に十字架を撤去するよう要求され、協力を拒否した指導者の逮捕も相次いでいる。習氏のこの取り組みについてフー氏は「キリスト教の十字架信仰を、自らと中国の特色ある社会主義に置き換えようとした」ということであると指摘した。