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トヨタ自動車はこのほど、同社が推進するDEI(多様性、公平性、包括性)プログラムに対する批判を受け、アメリカでのLGBTQイベントのスポンサーシップを停止すると発表しました。

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DEIとは、企業や組織において多様性を尊重し、あらゆる人を公平に受け入れる考え方です。しかし近年、過度なLGBTQ政策や実力に見合わない機会平等が推進されていることにより、保守派を中心に批判の声が高まっています。

トヨタは3日、アメリカの従業員5万人と販売店1500社宛てにメモを送付。LGBTQイベントのスポンサーイベントを停止するほか、米LGBTQ団体ヒューマン・ライツ・キャンペーン(HRC)による企業平等指数(職場におけるLGBTQ+の平等に関する企業の方針や取り組みを評価するもの)への参加も停止すると発表しました。

この背景には、LGBTQの危険性を訴える保守活動家で映画監督のロビー・スターバック氏の働きかけがあります。

同氏はソーシャルメディア上で、トヨタの従業員が主導していた「未成年への性転換治療を禁止する法律に反対する団体への資金提供」「人種や性的指向別に分かれた従業員グループの結成」「子供向けサマーキャンプでのドラァグクイーン(誇張した女装などを行うゲイパフォーマー)のスポンサー」などを挙げ、不買運動の呼びかけを実施。

当初、トヨタは「多様性を尊重してきた創業以来の精神は変えない」としていましたが、その一週間後に一転し、今回の発表に至りました。発表のメモによれば、「多様な考え方が流行る包括的な環境を奨励し続ける」としながらも、「事業の質を高める活動に主眼を置いていく」とのことです。

トヨタ以外にも、バイクメーカーのハーレーダビットソン、ホームセンター運営ロウズ、フォード・モーターなど多くの企業が、DEIへの取り組みを抑制する方針を示しています。

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