ロシア―ウクライナ戦争で日常的に行われるようになったドローンによるインフラ攻撃。台湾有事が迫る日本には、空からの脅威への備えはあるのだろうか──。

10月3日、ロシア軍が100機を超えるドローンで、ウクライナの送電線や変電所などを攻撃し、ウクライナの一部地域では停電が起きている。これにより、鉄道の運行も一時的に停止し、市民の生活にも支障を来たしている。

ロシアは国力が劣るウクライナに対し、「消耗戦」を強いる軍事戦略を採用している。この影響で、ウクライナは今冬、電力需要の3割に相当する電力不足に陥る可能性があると、国際エネルギー機関(IEA)が9月に報告書を発表している。

一方で黒海では、ロシアの船舶が無人艇などの攻撃に断続的に晒され、対策を余儀なくされている。ウクライナ戦争では、双方が敵の防空網をかいくぐって、精密かつ長射程で攻撃可能な「無人兵器」を駆使し、戦力を圧迫させようとしている。