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国連のグレテス事務総長が「地球はより暑く、だれにとっても危険な場所になっている」と警告し、化石燃料からの脱却を求めました。7月21日に、地球の平均気温が観測開始以来、過去最高となったことを受けたものです。

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25日の会見でグレテス氏は、世界の平均気温が13カ月連続で1940年の観測開始から史上最高を更新していることを挙げて、「沸騰に近づいている」と警告。2000~19年に、世界で毎年50万人近くが暑さによって死亡したという研究結果を挙げて、早急な対策が必要だとしました。

25日には国際労働機関(ILO)が、酷暑が労働に及ぼす影響についての新たな報告書を発表しました。最も頻繁に極度の暑さにさらされる労働者はアフリカで92.9%、アラブ諸国で83.6%、アジア太平洋地域で74.7%に上り、世界全体では就労人口の71%である約24億人が酷暑の中で働いている、としています。

グレテス氏はこの推計に触れ、酷暑の原因を「人間が引き起こし、化石燃料が加速させた気候変動だ」と強調。主要20カ国(G20)に対して再生エネルギーへの転換を求めているほか、異常気象の被害を受けやすい発展途上国への支援を求めています。

なお、グレテス氏は6月にも、5月末までの1年間の世界平均気温が観測開始以来で最高となったことについて、化石燃料による汚染が原因だとして、全ての国の化石燃料製品の広告を禁止するよう初めて明確に求め、「気候地獄へ向かう道から抜け出す出口が必要だ」と訴えています。

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