2024年9月号記事

月面基地、UFO開発、小説『三体』の暗示

習近平、恐怖の宇宙戦略

「宇宙強国」を目指す中国・習近平政権。
その奥深くにちらつく"闇の野望"に迫る。

「人類の月探査史上、前例のない偉業」。中国国営・新華社はこう謳った。

中国は6月、「月の裏側」に無人探査機を着陸させ、土壌サンプルの回収を世界で初めて成功させた。月の裏側は「ダークサイド・ムーン」とも呼ばれる。地球からの観測はおろか、電波も届かない。探査機の遠隔での着陸は至難の業とされた。しかし中国は2019年、通信中継衛星と自律制御を駆使し、これを初成功させる。世界の驚きもつかの間、二度目の着陸を行い、今度は「サンプルリターン成功」と記録を塗り替えた。

探査の先に中国が目指すのが、人類初の月面基地建設である。原子力発電所まで造る計画があるという。35年までの完成を目指すというから、日本のリニア開業に先行せんばかりのスピードだ。

中国は何を急いでいるのか。

西側諸国がまず警戒するのが、資源の開発だ。月の裏側には、次世代エネルギー・核融合の燃料である「ヘリウム3」が大量にあるとされる。中国は南シナ海で行ったように、先に基地をつくることでその領有権を主張し資源を独占すると、米NASA長官も警鐘を鳴らしている。

軍事施設の建設も懸念される。現在、地上における軍事行動の成否を分けるのが、ミサイル誘導などを行う人工衛星だ。これをいかに破壊するかが、現代戦の最前線になっている。そうしたなか、中国が月側から不意打ち的に、敵国の衛星を攻撃する可能性も指摘される(*1)。

(*1)米空軍国家航空宇宙情報センターのシニア・インテリジェンス・エンジニアのジェフ・ゴッセル氏が指摘。

※文中や注の特に断りのない『 』は、いずれも大川隆法著、幸福の科学出版刊。

 
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