《本記事のポイント》
- プーチン氏がクリントン大統領にした驚きの提案
- 関係が悪化するロシアとNATO
- ロシアはギリギリの交渉を最後まで続けた
河田 成治
(かわだ・せいじ)1967年、岐阜県生まれ。防衛大学校を卒業後、航空自衛隊にパイロットとして従事。現在は、ハッピー・サイエンス・ユニバーシティ(HSU)の未来創造学部で、安全保障や国際政治学を教えている。
前回、本コラムではなぜトランプ氏の北大西洋条約機構(NATO)についての発言が的を射たものであるのかについて、そしてNATOの問題について、お話ししてきました(Part 1)。
ここでは引き続き、西側とNATOとの関係悪化等について、お話をしていきます。
プーチン氏がクリントン大統領にした驚きの提案
これまでお話ししてきたような、アメリカを中心とするNATO政策は、ロシアの感情を悪化させました。
それでも1997年のNATOとロシアの協力関係を規定した「基本文書」により、何とか関係は保たれ、ロシア側も歩み寄ろうとします。
実際、プーチン政権は2000年代の当初、NATOとの協力体制を堅実に進めて、西側との融和を目指しました。
2024年2月6日に行われたタッカー・カールソン氏のインタビューにおいて、プーチン大統領は、クリントン大統領にロシアのNATO加盟を打診するという、驚きの提案をしたことを明かしています。
クリントン氏は「チームと話し合ったが、今は無理だ」と断ったとも語っています(*1)。
(*1)The Vladimir Putin Interview(2024.2.8)
関係が悪化するロシアとNATO
その後、ロシアと西側の関係は、さらなるNATO第2次東方拡大(2004年のエストニア、ラトビア、リトアニア、ブルガリア、ルーマニア、スロヴァキア、スロベニアの加盟)、ルーマニアへのアメリカのMD(ミサイル防衛システム)配備などによって、急速に悪化していきました。
HSU未来創造学部では、仏法真理と神の正義を柱としつつ、今回の世界情勢などの生きた専門知識を授業で学び、「国際政治のあるべき姿」への視点を養っています。詳しくはこちらをご覧ください(未来創造学部ホームページ)。