虚言と妄想に満ちた書籍によって名誉を著しく傷つけられたとして、宗教法人「幸福の科学」が、著者の大川宏洋氏と出版元の文藝春秋社に対し、損害賠償などを求めた訴訟で、最高裁判所は24日、宏洋氏と同社の上告を退けた。これにより、合計で121万円の損害賠償を命じる東京地裁の判決(東京高裁も維持)が確定し、幸福の科学の勝訴が確定した。

判決では、宏洋氏が書籍に書いた、野田首相の霊言の際に首相本人の発言と不一致が生じて収録現場が騒然となったという指摘や、教団が2017年に数百億円単位の赤字に陥っていた、などの点について、「真実であると認めることはできない」などとして、宏洋氏と文藝春秋社に対し「共同不法行為責任を負う」と断じていた(宏洋氏の「幸福の科学批判本」は嘘だらけ 裁判所は宏洋氏側の真実性の主張について1つも認めなかった)。

判決で特筆すべきは、裁判所が、宏洋氏側の多数の虚偽を認定した点だ。

幸福の科学グループ広報局によると、該当の書籍発刊にあたっては、宏洋氏や文藝春秋社側から、教団に対してまともな裏取り取材もなく、宏洋氏の「虚偽発言」をそのまま書籍化した形になっているという。

今回の最高裁の決定を受けて、幸福の科学グループ広報局は、「(株)文藝春秋及び宏洋氏には、最高裁判所の決定を真摯に受け止め、心から反省し、悔い改め、二度と信仰を冒涜(ぼうとく)したり、虚偽発言や誹謗中傷をしないよう、強く求めます」とコメントしている(文末の【関連サイト】参照)。

宏洋氏は、自身のYouTube動画の中でも、教団などに対する虚偽発言を繰り返しており、今年5月には、別の裁判で、最高裁が宏洋氏の上告などをすべて退け、損害賠償や動画削除を命じた高裁判決が確定している(幸福の科学側が宏洋氏に勝訴 最高裁が宏洋氏の上告などをすべて退ける 損害賠償やYouTube動画削除を命じた高裁判決が確定)。

平気で嘘をつく宏洋氏の責任は大きいが、その「フェイク」情報の裏取り取材もせず、書籍として世に出す文藝春秋社も出版社として大きな責任がある。

【関連サイト】

今回の最高裁の判断に対する、幸福の科学グループ広報局の見解

https://happy-science.jp/news/public/11465/17708/

【関連記事】

2022年3月4日本欄 宏洋氏の「幸福の科学批判本」は嘘だらけ 裁判所は宏洋氏側の真実性の主張について1つも認めなかった

https://the-liberty.com/article/19293/

2023年5月25日本欄 幸福の科学側が宏洋氏に勝訴 最高裁が宏洋氏の上告などをすべて退ける 損害賠償やYouTube動画削除を命じた高裁判決が確定

https://the-liberty.com/article/20651/