2023年9月号記事

ニッポンの新常識

軍事学入門 38

ウクライナ敗北は軍事常識どおり

世界の流れを正しく理解するための、「教養としての軍事学」をお届けする。

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元陸上自衛隊 西部方面総監

用田 和仁

(もちだ・かずひと)1952年生まれ。防衛大学校第19期生。統合幕僚監部運用部長、第7師団長、西部方面総監を歴任。元陸将。共著に『近未来戦を決する「マルチドメイン作戦」』(国書刊行会)など。

6月上旬に開始したウクライナの反攻作戦から1カ月以上が経ち、中間評価をしてもいい頃合いです(7月19日時点)。ウクライナ軍は主に南部と東部の3カ所で反攻し、特に南部の制圧をメインの作戦に位置づけていると見られます。南部を制圧できれば、アゾフ海に出られ、かつクリミア半島の間際にも迫れるため、ロシアを土俵際に追い込めます。