《ニュース》

中国外国特派員協会(FCCC)は1日、中国における最新の報道の自由に関する報告書を発表し、「2022年もまた厳しく、疲弊した1年だった」と総括しました。

相次ぐ記者追放と新規ビザ発給の遅れによって、すでに士気が低下し、人数も大幅に減少していたところに、1年を通して新型コロナウィルス対策の規制が強化されたことで、多くの取材計画が阻まれたと指摘しています。

《詳細》

この報告書は、中国外国特派員協会に所属する記者を対象としたアンケートに基づくもの。アンケートは2022年12月と23年1月に実施され、30カ国・地域の報道機関を代表する特派員会員166人のうち、102人から回答を得たとしています。

回答した記者のうち46%が、中国独自の基準では健康上のリスクがないにもかかわらず、健康や安全上の理由でその場から離れるように言われたり、アクセスを拒否されたりしたと答えました。

また47%が、中国当局が感染リスクに基づいて人々の移動を管理する「健康コード」上の問題で、移動できなかったことがあると回答しました。

さらに38%が、外国人記者との交流によって少なくとも1人の情報提供者が当局から嫌がらせや拘束、尋問、その他の悪影響を受けたことがあると答え、その割合は昨年の約25%から上昇しました。また、22年に中国人の同僚が少なくとも1度は圧力や嫌がらせ、脅迫を受けたと答えた人は45%に上り、昨年の40%から増加しています。

報道機関のほとんどの支局は、新しい記者の中国入国許可や就労認定を待っている状況であるとし、「地球上で最も人口の多い国の1つを取材する支局の能力は低下している」と述べています。日本や欧州の一部の報道機関は、新しい記者の受け入れに成功しているものの、「いつビザが下りなくなるか分からない」というのが現状だとしています。

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