《ニュース》
電力会社が経済産業省に申請し、多くの家庭が契約している「規制料金」をめぐり、大手7社が4月、または6月からの値上げを求めています。
《詳細》
電力会社が経産省に申請した値上げ率は、今月15日時点では次の通りです(原発と火力比率は1月28日付日本経済新聞電子版)。
- 北海道電力:
- 6月1日より平均32.17%(稼働中の原発は0基、火力比率64%)
- 東北電力:
- 4月1日より平均32.94%(0基、69%)
- 東京電力:
- 6月1日より平均29.31%(0基、77%)
- 中部電力:
- 情報なし(0基、64%)
- 北陸電力:
- 4月1日より平均45.84%(0基、52%)
- 関西電力:
- 4月時点では実施しない(5基、43%)
- 中国電力:
- 4月1日より平均31.33%(0基、59%)
- 四国電力:
- 4月1日より平均28.08%(1機、44%)
- 九州電力:
- 値上げ申請は考えていない(4基、36%)
- 沖縄電力:
- 4月1日より平均40.93%(0基、94%)
各社が一斉に値上げ申請を行う中、東京電力は九州電力と「1.3倍の価格差」が生じていると、テレビ朝日が今月14日に報道しています。取材に応じたエネルギー経済社会研究所の松尾豪代表によると、使用量が608キロワットアワーで、60アンペアの家庭を想定した場合、九州電力の料金は2万583円に対し、東京電力は2万6888円となり、実に約1.3倍の開きが生じているといいます。
各社で違いが出ている理由は、九州電力では原子力発電所の再稼働が進んでいるためであり、他の電力会社に比べてLNGなどの燃料高騰の影響を受けにくい模様です。
北海道電力の藤井社長は、「泊原発を再稼働させたら値下げする」と述べています。また、東京電力は電気料金を算定する前提条件として、10月に柏崎刈羽原子力発電所を再稼働することを想定しています。もし再稼働できなければ、料金がさらに上がる可能性もあります。
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