《ニュース》

中国で感染爆発しているコロナ変異株の一種で、北京を中心に広がっているオミクロン変異株「BF.7」。ここまで判明している情報を総合すると、オミクロン変異株の中で最も感染力が強く、ワクチン効果をすり抜けている可能性もあるといいます。

《詳細》

日本で流行したBA.1やBA.5などの亜種と比較して、BF.7は免疫逃避能力が高く、潜伏期間が短く、感染速度が速いと専門家から指摘されています。

中国国営メディア「グローバルタイムズ」がこのほど報じた記事によると、1人の患者が平均して何人に感染を広げる可能性があるかを示す「基本再生産数」は、デルタ型が5~6程度であるのに対し、BF.7は10~18.6と言われており、1人が10人以上にうつすくらいの高い感染力を持つと推定されています。

そのため中国の医療当局は、感染者が指数関数的に増えているため、もはや追跡することを断念せざるを得ない状況にあります。中国疾病対策予防センターのナンバー2は、「人口の60%程度に感染するかもしれないと発言した」と、米メディアNPRが15日に伝えています。つまり、8億人がこの冬に感染する可能性があるというのです。これは日本と比べると、桁違いの感染爆発が起きる恐れがあると言えます。

また、BF.7のウィルスの表面にあるスパイクタンパク質には、「R346T」という変異が見られ、ワクチン接種による中和抗体から逃避することが示唆されており、ワクチン効果を弱めると懸念されています。

習近平指導部は「ゼロコロナ政策」に対する反発を受け、緩和に動き出しましたが、今後も感染が収まる気配はなさそうです。

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