《ニュース》

ドイツの主要メディアがコロナワクチンの接種後に見られる副作用について報道し始めたことが、話題を呼んでいます。

《詳細》

ドイツ主要紙の一つである「ディ・ヴェルト」は4日、ワクチンの製造会社から適切な情報が公開されておらず、学者の間で疑念が高まっていることを報じました。

今回の報道の中で扱われたのは、mRNAワクチンを製造するビオンテックと、ファイザー、モデルナの3社です。いずれもワクチンに関する研究結果は公開されているものの、一次データが十分に公開されておらず、第三者による検証も行えないという問題が指摘されています。

世界で最も権威のある医学誌の一つである「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」のシニアエディターのピーター・ドーシー氏は、公開情報をもとに分析した結果、製薬会社の公式発表と比較して、より深刻で、多くの副作用の症状が報告されたといいます。ヴェルト紙は、同氏のインタビューの内容を踏まえて、この研究はあくまでも限定的なものであり、より正確な状況を把握するためには「被験者の詳細なデータ(一次情報)」が必要だとしています。

また、ドイツ公共放送連盟に加入している「中部ドイツ放送(MDR)」は5日、ワクチンの副作用による被害に関する訴訟の様子を報じた上で、さまざまに報告されている副作用について紹介しました。

昨年5月に、アストロゼネカ製のワクチンを接種した後に、30代のドイツ人男性・セバスチャンさんは、繰り返し激しい頭痛に悩まされることになりました。検査の結果、「脳静脈洞血栓症」を発症していることが分かり、間一髪のところで命を取り留めました。セバスチャンさんは現在、アストラゼネカ社を提訴しています。

番組内はセバスチャンさんだけではなく、アストラゼネカのワクチンで数百人が副作用で苦しんでいると紹介。また、ビオンテックのワクチンを接種して「ギランバレー症候群」を発症し、手足が動かなくなった男性がいることも報じ、副作用による被害が深刻であると指摘しています。

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