《ニュース》

新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、政府が実施した助成金や支援金について、会計検査院が「新たに約3億円の不正受給があった」として、厚生労働省に調査方法を改善するよう是正要求を出しました。

《詳細》

厚生労働省はこれまでも、コロナ関連の助成金や支援金について約66億円分の不正受給を確認していました。5日付日経新聞は、会計検査院の関係者の見方として今回発覚した不正について「氷山の一角」であると伝えています。

会計検査院は、厚労省が提供した2020~21年の申請データを調査したほか、一部の労働局内で事業主を抽出して調査しました。それにより、「事実と異なる書類を作成しての虚偽申請」や、「雇用調整助成金と従業員向けの休業支援金の重複受給」などで、新たに3億1700万円分の不正が見つかったとしています。

会計検査院は「データの活用によって不正を明らかにする具体的な方法を策定すべきだ」(5日付毎日新聞)と指摘。後藤茂之厚労相は5日の会見で、不正が疑われる企業や受給者のリストを作成し調査を徹底するなどの対策を取ることを発表しています。

助成金や支援金の支給が始まった当初、コロナ禍において事業者が困窮する中、申請後の支給の遅れが批判されていました。厚労省の担当者は「申請が相次ぐ中、各労働局のマンパワーが足りず十分にできていなかった」と審査体制の実情を語っています(5日付日経新聞)。

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