幸福実現党の森山佳則(もりやま・よしのり)氏が9日、北海道札幌市で記者会見を開き、夏の参議院選挙の北海道選挙区から立候補する意思を表明した。
森山 佳則
森山氏は東京都出身。中央大学法学部卒業後、新日本製鐵(株)を経て幸福の科学に入局。札幌中央支部長や新札幌江別支部長などを歴任した。
出馬する理由について森山氏は、「国際情勢ではウクライナ、中国、北朝鮮の問題が厳しさを増しています。外交・国防政策を一歩間違えると国の存続が危うくなる。国内問題を見るとコロナもあり、財政赤字が桁違いに増えています。『これを放っておくとどうなるのか』という危機感があります。いま『国家存続の危機』にあると幸福実現党は認識している」などと語り、やむにやまれぬ思いをにじませた。
会見では、2つの国家的危機が迫っており、これらの難局を乗り切るための政策が語られた(以下、要旨を紹介)。
(1)国防の危機─中国の脅威
中国は無神論国家、独裁全体主義国家である。独裁全体主義国家は必ず外に敵をつくり続ける習性がある。すでに中国は香港を呑み込み、自由のない監視社会を構築しつつある。ここで止まるわけがない。当然、次は「核心的利益」と言っている台湾を取りに来る。中国が台湾を取る時には、尖閣、沖縄本島も戦火に巻き込まれる可能性が高い。さらに台湾にとどまらず、「沖縄は中国領だ」と言っているので、次は沖縄、九州、日本全土を中国が飲み込み、日本を属国にする可能性が出てきている。
日本が戦場になる可能性
ウクライナ問題を見た時に、バイデン米大統領は最初から「武器は渡すが、兵は出さない」と言っていた。それを見てプーチン露大統領は「アメリカが出て来ない」と見て、ウクライナへの特殊軍事作戦に踏み切った。これはもしかしたら、「バイデン大統領の罠ではないか」と見ている。
さらにこのウクライナ問題を受けて、アメリカは(台湾や沖縄の危機に際しても)戦力を投入しない可能性がある。日米同盟は重要だが、日本を助けにアメリカが来てくれる保証はない。つまり、日本が戦場と化す。日本がウクライナ化する時が来る。これだけの危機が切迫しておきながら、私たち日本人は戦後のまどろみの中にいる。
中露北の三正面作戦と世界の二分化を危惧
ウクライナ問題ではなぜか、世界(西側諸国)は「ロシア包囲網」を敷いている。そうではなく、今は「中国包囲網」を敷かなければならないと考えている。今回のウクライナ問題で西側諸国が必要以上にロシアを追い込んだ場合、ロシアと中国を結び付けてしまう。
ロシアは6000~7000発の核を持つ核大国。中国も350発の核を持っている。アメリカは3000発。中国、ロシア、北朝鮮、さらにはイラン、シリア、南米などが(反米という利害で)接近すれば、世界は二分されることとなり、これこそ大変なことになる。(核保有数を見ても)中国とロシアが接近した場合、世界のかじ取りは大変困難になる。
日本は中露分断とウクライナ戦争を仲介すべき
ポイントは、中国とロシアを分断すること。これが日本外交の要諦だ。そして日本政府はロシアとウクライナを含む西側諸国を仲介し、停戦に導く。これを日本外交の基本方針とすべき。
日中の国防費の差は5倍に。防衛費倍増と核装備の検討を
憲法9条改正は(幸福実現党が立党した)13年前から訴えてきた。安倍首相の時に憲法改正を発議できたにもかかわらず、それをしなかった。民主党政権の時に日本の防衛費と中国の軍事費の差は2倍だったが、現在は5倍に拡大している。孫子の兵法で言えば、「戦力が5倍になったら攻撃を仕掛けてよい」とされる。防衛費倍増を最低限行わないと、自衛隊の弾薬は数日で尽きかねない。宇宙・サイバー・電磁波を一体化させた防衛体制を構築しつつ、核装備も積極的に検討すべき。
(2)国家破綻の危機─政府の減量政策
政府と地方公共団体の借金は約1200兆円あるが、「この問題を本当にどうするのか」を訴えたい。このままいったら危険水域にまもなく到達する。返済計画を立てなければいけない。日本政府は非営利法人であり、政府も破綻して倒れることもある。倒れたらどうなるのかも考えなければならない。
「バラマキから自助努力の繁栄へ」ということで、今やるべきことは「減量」。一般企業と同じく、赤字になったら無駄を省く。デジタル庁やこども家庭庁、内閣府など、(役割が被っている)無駄な省庁はもう必要ない。国会議員も多すぎる。公務員の給与も大幅に見直すべき。こういう無駄をまず減量していく。
「勤勉革命」で実体経済を良くする
実体経済も良くしていかなければならない。MMT理論などがあるが、ただお金を刷ってもGDP(国内総生産)は増えない。誰かがしっかりと働いて生産しなければ、富は増えない。二宮金次郎像が示すように、しっかりと働く。そのインセンティブとして、減税や規制緩和を行うことが必要。政治の役割は「国民が働きたい環境をつくる」こと。政府が民間部門に関与し過ぎるのは社会主義である。社会主義は必ず失敗する。これを私たちは訴えていきたい。
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