《ニュース》

政府が6月に発表する感染症対策の強化案の中に、「健康危機管理庁(仮称)」を盛り込む方向であることを、各紙が伝えました。

《詳細》

「健康危機管理庁」は、業務が重なる部分が多いとされる内閣官房の「新型コロナ感染症対策推進室」と厚生労働省の「対策推進本部」などを統合するほか、その他の関連部署を統合するというものです。

共同通信は31日付電子版記事で、内閣官房の中で官房副長官クラスをトップとし、緊急時には関係省庁から職員を招集し、ナンバー2は厚労省の医務技官が兼務すると報じています。一方で31日付読売新聞電子版は、「内閣府などの外局とするか、独立した省庁とするか同課などの詳細は今後さらに詰める」としており、詳細はまだ明らかになっていません。

この「健康危機管理庁」の設立は、岸田文雄首相が2021年9月の総裁選に出馬した際に掲げていた、危機対応強化策としての公約の一つです。当時は、公衆衛生上の危機発生時に、国・地方を通じた強い指揮権限を有する「健康危機管理庁」を設置するとともに、国・地方が人流抑制や医療資源確保においてより強い権限を持てるための法改正などに取り組むとしていました。

ただ、各省庁は感染症対応以外の業務も担っています。21年10月に発表された自民党の衆院選の公約では、強引な統合で行政機能に支障をきたす恐れがあるほか、人材の確保も難しいなどの理由で、「健康危機管理庁」の設置を明記することは見送られていました。

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