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中国当局から流出した新疆ウイグル自治区での人権弾圧に関する数万点に及ぶ内部資料が24日、米団体により公開されました。

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今回の内部資料は、匿名の人物によるハッキングで新疆の公式データベースから入手され、米NPO団体「共産主義犠牲者記念財団」に所属するドイツ人研究者であるアドリアン・ツェンツ氏に渡ったものです。

日本の毎日新聞を含む世界の14のメディアが、この資料の一部を事前に入手し、内容を検証。ミチェル・国連バチェレ人権高等弁務官による新疆訪問中に公開されました。

資料によると、新疆ウイグル自治区の陳全国・共産党委員会書記は2017年の演説の中で、収容所から脱走を試みる者は射殺するように命じ、地元の役人に「宗教信者を厳重に管理する」よう要請。趙克志・公安相は18年の演説で、習近平国家主席が強制収容所の増設を指示したことに言及したとされています。

さらに、警察から流出した被収容者の写真2800枚以上も開示されました。こうした被収容者の中には、違法な演説を聞いたとして拘束された17歳や、別の収容者の親族という理由で拘束されたとみられる16歳も含まれています。

イギリスのリド・トラス外相は、この資料の内容は「衝撃的だ」と批判。新彊を訪問中のバチェレ氏が現地の状況を的確に把握できるように「完全かつ制限のない」視察を許可するよう中国側に要請しました。

一方で、中国の外務省の汪文斌報道官は、この資料に関して「新彊を中傷する反中国勢力」による「寄せ集めの資料」と断定。報道機関が「ウソとうわさを広めている」と非難しました。

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