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香港の次期行政長官に、保安局長として民主派弾圧を主導してきた李家超(ジョン・リー)政務官が就任する可能性が強まっています。

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5月8日に行われる香港行政長官選挙において、林鄭月娥(キャリー・ラム)現行政長官は再出馬しない意向を表明しました。代わってこのほど出馬表明したのが、現在、政府のナンバー2にあたる政務官の李家超氏です。

この出馬表明は中国共産党、特に習近平国家主席の意向を受けたものと思われ、事実上の就任内定と見られています。

李氏は香港警察の諜報畑でのキャリアを経て、2017年に保安局長に就任しました。その後、19年から大規模化した民主派デモに対する弾圧や、蘋果日報(アップル・デイリー)の取り締まりを主導。これらが中国政府に評価される形で、香港政府の事実上のナンバー2である政務官に抜擢されました。

政治経験はほとんどなく、治安経験しかない高官の抜擢は大きな波紋を呼びましたが、そうした人物が政府のナンバー1になる流れに、「香港が警察国家化する」との懸念が強まっています。

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