《ニュース》

中国各地で、電力不足が深刻化しています。火力発電の燃料である石炭が不足したことに加え、地球温暖化対策の一環として、火力発電所の稼働を抑制したことなどが原因と報じられています。

《詳細》

中国全土の約3分の2という広範囲で、電力不足が起きています。例えば、9月28日付産経新聞によると、製造業が盛んな江蘇省では、1000社以上が工場を2日稼働した後、2日停止することを余儀なくされています。

また中国国営メディア「環球時報」によると、1億人近い人口を抱える北東部の3省(黒龍江省、吉林省、遼寧省)では大規模停電が起こり、電力供給も割当制となり、日常生活や経済活動に大きな混乱が生じているとのことです。

電力不足が生じた主な原因には、中国はオーストラリアとの関係が悪化して以降、オーストラリア産石炭の輸入を禁止したものの、代替の輸入先を確保できなかったため、石炭価格の高騰や供給不足が生じたことがあります。

加えて、「温室効果ガス排出削減」の取り組みの一環として、各地で火力発電所の稼働が抑えられたことも一因だと、中国メディアは指摘しています。習近平政権は、2030年までに二酸化炭素の排出量を減少に転じさせるといった目標を掲げており、その目標達成のため、各地方自治体に対して、石炭などの化石燃料発電を削減するよう求めていました。

《どう見るか》