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米国防総省は8月30日(現地時間)、アフガニスタンから最後の米軍部隊が撤退したと発表しました。

バイデン米大統領は同日、「各軍トップと現地司令官は全員、退避作戦終了が兵士の命を守り、民間人の出国を確保するために最善だと進言した」という声明を発表。翌31日に国民に向けた演説を行い、大混乱に終わった一連の撤退を改めて擁護しました。

《詳細》

バイデン氏は演説で、米軍の尽力によって非常に多くの人々を現地から救出できたとして、「このようなことを実行できた国は、歴史上かつて存在しなかった。ただアメリカだけが、それをできる能力と意志と技術を持ち、本日ついにやり遂げたのだ」と熱弁した上で、今回の撤退を「並外れた成功(the extraordinary success)」と表現しました。

加えて、「私はこの終わりなき戦争(forever war)を延長させるつもりはなく、終わりなき撤退(forever exit)も延長させなかった」と語り、「アフガニスタンでの戦争はこれで終わった」と自信の決断を高く評価。

さらには、アメリカは自国防衛のために部隊を現地に置く必要はないと述べ、「この(アフガン撤退の)決断が正しい決定であり、賢い決定であり、最良の決定であったと信じる」と結びました。

しかし、多数のアメリカ人やアフガン人協力者らを現地に残したままの撤退は、米国民にも衝撃を与え、国内で激しい批判の的となっています。共和党陣営からの批判は言わずもがなです。加えて、撤退期限の延長を一切認めなかったバイデン政権に対し、イギリスをはじめとした同盟国からも強い非難の声が上がっています。

アフガニスタンからの撤退自体は、トランプ政権が推進していたものであり、米国民からも広く支持されていました。しかし、肝心の実行段階における失策に加え、タリバン勢力を勢いづかせてしまったバイデン政権の対外宥和姿勢の問題点が追及されています。

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