《ニュース》
大手電力10社・大手都市ガス4社が、9月に続いて10月の家庭向け料金を値上げすると発表しました。石炭や液化天然ガス(LNG)などの輸入価格の上昇が影響しています。
《詳細》
大手電力各社は、標準的な家庭の1カ月当たりの電気料金で67円(北海道電力)~146円(中部電力)の幅で値上げを行います。大手都市ガスについては、80円(西部ガス)~108円(大阪ガス)の幅で値上げが行われます。
9月に引き続き、2カ月連続での値上げの背景には、燃料費の調整が行われたことにあります。原油、LNG、石炭の貿易統計価格の上下によって電気料金は調整されますが、LNGや石炭の価格は上昇中です。
そうした中、中国はLNGの輸入を拡大させており、今年日本を抜き、世界最大のLNG輸入国になる見通しであることを、調査会社ICNS・LNGエッジが発表しています。一方で、石炭火力発電所の承認を急増させています。2020年には合計46.1GW分を承認。同年、世界では37.8GW分の石炭火力発電所が閉鎖されましたが、それを超える規模となります。
中国国内では、共産党100周年式典の前に大きな事故を発生するのを避けるため、炭鉱の操業規制が行われてきました。そのため、発電用石炭の輸入が急拡大しており、代わりにインドネシアやロシアからの調達が強化されています。
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