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「脱炭素国境調整措置(国境炭素税)」の導入に向けた検討が、欧州で加速しています。
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環境規制が緩い国からの輸入品に課税する「脱炭素国境調整措置(国境炭素税)」と呼ばれる仕組みの実施に向け、欧州で本格的な議論が始まっています。
欧州連合(EU)は7月、温室効果ガスの削減策の一つとして、2026年に国境炭素税を導入する方針を明らかにし、具体案を公表。温室効果ガス排出量の多い鉄鋼、アルミニウム、セメント、肥料、電力の5分野で、環境規制が不十分な国・地域からの輸入品に関税をかけるというものです。
この措置には、EU企業の厳しい環境規制の対策コストを嫌って、生産拠点が他の国や地域に流出するのを防ぐ狙いがあります。また、規制が緩い国に負荷をかけて対策強化を促すことも要因の一つです。
フォン・デア・ライエン欧州委員長は計画案発表の際に、「化石燃料を使った経済はすでに限界に来た」とコメントし、温室効果ガス削減を成長戦略に位置づけていく姿勢を表明しました。国境炭素税の導入が世界規模で促進されていく可能性も予想されます。
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