《ニュース》

中国人民銀行はこのほど、同国の中央銀行デジタル通貨(CBCD)「デジタル人民元」による決済総額が6月末までに345億元(約5500億円)に達し、個人の利用者は2000万人に上ると発表しました。

《詳細》

実証実験が始まった2020年当初は、抽選で当たった移住者のみが利用でき、その金額も一人当たり200元と少額でした。しかし、今春からの実証実験では、実験都市に住む人は誰でもデジタル人民元を利用でき、銀行のアプリケーション上で自らの預金残高と振り替えることができるなど実験対象が拡大しています。

さらに、人民銀行のデジタル通貨研究所の穆長春(ムー・チャンチュン)所長は6月、デジタル人民元の利用限度額を4段階に分けると発表。銀行口座や、信用スコアなどによって、利用者は1回の支払いに使える上限額を、2000元、5000元、5万元、無制限の各段階に振り分けられることになります。

また、外国人も、デジタル人民元を持つ中国人から譲渡されれば、スマートフォンのアプリなどから会計に使うことも可能になっています。

人民銀行は来年の北京冬季オリンピックでの実験や法整備を踏まえて、22年内にもデジタル人民元を正式に発行する方針です。

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