2021年7月号記事

地域シリーズ・静岡

──川勝知事の静岡県"中国化"を許すな──

静岡県なくして日本の繁栄なし

静岡県の地政学的な位置付けと、地の利を生かした発展の未来とは。

(編集部 駒井春香、竹内光風)


弥次さん喜多さんも歩んだ「東海道五十三次」が示す通り、古くから首都圏と中部圏・関西圏をつなぐ交通の要衝である静岡県。

西部、中部、東部、伊豆の4つの地域に分けられ、それぞれに異なる表情を持つ。海や山、川の自然に恵まれ、お茶やみかん、海産物などさまざまな名産品や産業、温泉もあるため、他県からも人気の観光地でもある。

一方で東海大地震や富士山の噴火など、災害の危険性が叫ばれ続けており、太平洋側の国防の観点から見ても、脆弱さが懸念されている。

「気候が温暖で自然も多く、とにかく暮らしやすいのが強みですが、コロナ禍で元気がなくなっています」という声も聞かれる。しかし取材で見えてきたのは、まだまだ発展の余地も大きい静岡県の姿だ。さらなる繁栄のためのヒントと発展を阻害するものについて探ってみた。

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知られざる? 静岡県の魅力

果物や野菜、生花などの栽培が盛んなほか、日本を動かした偉人や
世界に誇る大企業を輩出した地でもある。その一部を紹介する。

01 輸出にも前向きな果物王国!

温州みかんなどの柑橘類のほか、温室メロンも出荷量全国1位。イチゴやキウイフルーツなども全国1桁をキープしている。特にクラウンメロンは輸出にも力を入れており、2019年の輸出額は2億4000万円にのぼる。うち9割が香港だが、安定した輸出事業のために、欧米や中東圏への輸出に向け、相手国の規制への対応や鮮度保持、安定的な生産体制などを整えている。

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02 2022年大河ドラマの主役 北条義時は伊豆出身

2022年大河ドラマ「鎌倉殿の13人」主役の北条義時は伊豆の国生まれ。源頼家の13人の家臣たちが勢力争いの中で次々と脱落し、義時が鎌倉幕府の最高権力者になる姿を描く。義時の姉である北条政子は、源頼朝に嫁いだ後も北条家の男性たちを立て、幕府の存続に力を尽くした。義時が急死し、跡目争いで謀反の動きを知った政子は、命懸けで阻止。無事に義時の長男・泰時が家督を相続し、「御成敗式目」を制定。争いではなく話し合いで行う政治を実現した。

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〈右〉『北条政子の幸福論』大川隆法 著幸福の科学出版


03 日本が誇る世界的メーカー発祥の地!

静岡県は古くから「ものづくり」で発展してきた。特に西部は圧巻だが、一説には浜松城がその理由とされる。徳川家康をはじめ、累計26人の城主が治めたが、数年で"異動"する城主に、「お上に頼らず自分たちで何とかせねば」という自助努力の精神が根付き、特に職人による技術が発展を遂げた。その職人気質は途絶えることなく引き継がれ、鈴木式織機(スズキ)、日本楽器製造(ヤマハ)、河合楽器研究所(カワイ)、浜松テレビ(浜松ホトニクス)など、世界に誇る大企業が生まれる礎となったとされている。

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写真提供:ピクスタ、Champhei / Shut terstock.com

 

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