2018年のインディ500フェスティバル・パレードに参加した、インディアナ大学-パデュー大学インディアナポリス校の孔子学院のメンバー。なお、同孔子学院は19年に閉鎖が発表された。Roberto Galan / Shutterstock.com
2021年3月号記事
日本の教育が中国共産党に乗っ取られる!
孔子学院にお別れを
日本に相次いで設立されてきた孔子学院。
世界的に見直しがかかる中、日本はどうするのか。
(編集部 河本晴恵)
「中国政府お墨付き」で、「本場」の中国語が学べる学校がある。それが、世界約540カ所に広がる「孔子学院」だ。
日本でも15の大学に設置されているほか、地域の高校や団体に「孔子課堂・学堂」が設置され、中国語や中国文化の講座などが開かれている。
「本場中国の教師が来る」ことが一番の売りだ。仕事で中国語を使う地域のビジネスマンが通う例もある。中国語の運用能力を測定する中国語検定「HSK」を開発し、主催するのも孔子学院の本部である。
中国の大学への留学も支援。孔子学院で中国語を学び、奨学金を得て中国に留学する、というルートもつくられている。
あくまで語学や文化交流のため?
「孔子」という名前を冠し、儒学講座なども開かれているものの、実は孔子の思想と関係はない。
中国政府系のメディアである人民日報は2004年、中国政府の担当者の話として「孔子の思想を教える教育プログラムを開設するのではなく、孔子の名を借りて全世界に中国語を広めることが目的」と報道。中国国務院(内閣に相当)は公式に、孔子学院は対外宣伝として「核心価値である社会主義を基礎とした教育を広めるため」の機関と説明している。
現在、国際的な中国への非難が集まっているのは周知の事実。香港や中国民主化活動への弾圧は激しさを増し、安全保障上の懸念も高まる。一方、中国政府主導とはいえ、「あくまでこれは語学や文化の交流」「こういう時期こそ、生の中国文化を知ることが大切」との見方もある。
ただ、欧米で相次ぐ「孔子学院の撤退」は、そうした甘い見方に反省を迫るものだ。
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孔子学院院長がスパイだった!?