21日付読売新聞のなかに、9歳でアトピー性皮膚炎を発症した患者の、20年に渡るステロイド治療の経過が紹介されている。発症当時は肘の内側付近に軽い湿疹ができた程度だったが、ステロイドの塗り薬を長期間使っているうちに徐々に効かなくなり、症状は全身へと広がって悪化していったという。

日本では1990年代に「ステロイドバッシング」が盛んに行われた。ステロイド治療を中止すると症状が悪化したり、長期間使用することで皮膚の萎縮や免疫力の低下が起きるという副作用が取りざたされた。その後、日本皮膚科学会がステロイドの適正な使用法方のガイドラインを発表し、極端なステロイドバッシングは収まっていったが、今でもステロイドへの不信感は根強い。

このように、アトピー性皮膚炎の治療を巡る試行錯誤は長年に渡っている。しかし、本誌3月号でインタビューした山口医師は、難治性のアトピー患者を数多く治療してきた経験から、「『アトピー性皮膚炎は治らない病気』という刷り込みこそが、治療を妨げている」と指摘している。山口氏によると、アトピーの根本原因は人間関係の不調和にあり、患者の多くにはそうしたストレスをためやすい傾向がある。それを改善するためのアドバイスをすることで、アトピーは改善していくことが多いのだという。

人間は、肉体に魂が宿った形で生きており、実は心の持ち方が体に大きな影響を与えている。投薬はあくまでも、人間を物質と捉えた上での治療法である。それにも有効な面はあるだろうが、根本治療は、肉体を日々作っている心のあり方を見直すことにある。それによって治る病気は多いのだ。

進歩を続けながらも行き詰っているように見える現代医学。唯物論の限界に気づき、人間の本質は魂であるという真実を受け入れることが今求められている。(雅)

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