ニューヨークの金先物が19日に史上初めて1500ドル台に乗せるなど、国際商品の価格が高騰している。

金価格が1000ドルの大台に乗ったのは08年であり、わずか3年で1.5倍になったことになる。原油高でインフレ懸念が生じている中で、アメリカの量的緩和でだぶついたドルが商品市場に流れ込んでいることが、その背景にある。

その影響もあるのか、アメリカでは金本位制に戻る動きも一部の州で出始めており(日高義樹著『いまアメリカで起きている本当のこと』参照)、にわかに「金」が注目され始めている。

通常、有事や不安が高まる時は、金、原油、ドルが高くなる動きを見せた。今回は、金と原油は高騰しているが、ドルだけは安くなっているという特徴がある。

これはアメリカの覇権の陰りを見せているのか、あるいはアメリカの覇権の陰りが不安をかきたてて国際商品の値上がりをもたらしているのか。それとも投機家がもたらした気まぐれな相場に過ぎないのか。

いずれにせよ金高騰の背景には、国際情勢の大きな地殻変動があるような気がしてならない。(村)

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