《本記事のポイント》

  • 香港政府、民主派議員4人の資格をはく奪
  • 中国は来年の香港立法会選挙を前に、民主派を排除
  • バイデン氏はかつて、「日本は核保有の恐れ」と習近平に告げ口


中国・全国人民代表大会の常務委員会会議は11日、香港の議会にあたる立法会の議員資格として、中国や香港政府への忠誠心を持つよう義務づける方針を決めた。香港政府はこの決定に従い、即日、民主派議員4人の資格をはく奪することを宣言。これに反発した他の民主派議員15人は一斉に辞職を表明し、抗議の声を上げた。

トランプ政権の安全保障問題を担当するオブライエン大統領補佐官は同日、「中国政府が国際的な約束をあからさまに破ったことは疑いようがない。『一国二制度』は、中国が一党独裁を香港に拡大するための隠れみのになっている」と批判する声明を発表。新たな対中制裁の発動を警告した。

一方、日本の加藤勝信官房長官は11日の記者会見で、「昨今の香港情勢について重大な懸念を強めている。状況を注視している」「香港が一国二制度の下に自由で開かれた体制が維持され、民主的、安定的に発展していくことが重要だ」と語るにとどまった。


来年の立法会選を前に、民主派を排除

アメリカでは、「民主党のバイデン候補が勝利した」という既成事実づくりが図られているが、まだ正式に決まったわけではない。だが、中国はその隙を突いて、香港への弾圧を加速させていると見るべきである。

香港政府は、新型コロナウィルスの感染拡大を理由に、今年9月に予定していた立法会選挙の実施を、来年9月に延期することを決めている。中国は、香港を「一国一制度」に近づけるべく、選挙を前に民主派議員を排除したかったのだろう。


バイデンは日本の核保有を習近平に告げ口

仮にバイデン氏が勝っても、「アメリカでは対中強硬路線が超党派で進んでいるため、対中政策が転換されることはない」という見方がある。

しかし大統領選期間中、バイデン氏から中国を追及する声が鳴りを潜め、さらに多くのメディアは、同氏の対中強硬姿勢の本気度を確かめようとしなかった。極めつけは、バイデン氏の次男をめぐるスキャンダルにより、「バイデン一家は中国に乗っ取られている」という疑いまで浮上している。

中国が、「トランプ氏よりバイデン氏の方が与しやすい」と見て、香港弾圧を加速させたということなら間違いなく、台湾や沖縄、南シナ海などの情勢は一層厳しいものになる。バイデン氏は副大統領当時、「米中が連携しなければ、日本は核保有する可能性がある」との認識を、習近平国家主席に伝えたほどの人物だ。

日本は、香港の自治を守るために中国を明確に非難し、国際的圧力を加えるべきである。

(山本慧)


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