写真:ロイター/アフロ
《本記事のポイント》
- 緊急事態宣言で生じた損失が1カ月で約2兆円、累計で約4.6兆円になるとの試算
- 外出自粛を続ければ続けるほど、日本経済は死滅していく
- 日本は、中国の核によって「江戸時代」に逆戻りするリスクがある
消費の活性化で盛り上がるゴールデンウィークが始まった。今年は、人との接触を8割減らす緊急事態宣言により、外出を控えるケースが起きており、異例の連休となっている。
対策の目的は感染拡大を防ぐこと。しかし、それとトレードオフの関係で、経済損失の拡大が懸念されている。
関西大学の宮本勝浩名誉教授は、宣言の発令から1カ月の損失が約1兆9630億円となり、1月から5月6日までの累計の損失は約4兆6187億円に上ると、4月28日に発表した。同氏によれば、発令が日本全国で2年間続いた場合、損失が約63兆円に膨れ上がるという。
63兆円規模となれば、リーマン・ショックで生じた落ち込みの1.5倍となる。
外出自粛を続ければ続けるほど、日本経済は死滅し、復元力を失うのは間違いない。緊急事態宣言は、感染者の減少と経済損失の拡大という「諸刃の剣」と言える。
核兵器による攻撃で、日本は江戸時代に逆戻り
ウィルスの蔓延が近代社会の営みを止め、経済に打撃を与えることは、多くの人にとって「まさか」の出来事だった。ウィルスの脅威をまざまざと見せつけられた形だが、経済を死滅させるリスクは他にもある。
中国が昨年、新疆ウイグル自治区で密かに「低出力の核兵器」を実験したと、米国務省が4月中旬に報告している。中国が核の近代化に力を入れる背景の一つは、「EMP(電磁パルス)攻撃」の強化が考えられる。
EMP攻撃とは、核を上空で爆発させ、強力な電磁パルスを発生させることで、防護されていないインフラや電子機器を麻痺させ、使用不能にさせることだ。これにより、日本はたった1発の核で、「電気を使わない江戸時代」に逆戻りし、多くの人が亡くなる可能性がある。
中国は、EMP攻撃に特化した核弾頭を保有
実際、中国の国営メディア「環球時報」は4月に、米軍が南シナ海で軍事演習を続ければ、電磁パルス攻撃も辞さないと語る中国当局者のコメントを掲載。アメリカをけん制した。
EMP攻撃に特化した核弾頭を保有する中国は、重大な脅威となっている。
中国はこれまで「核実験は行わない」と公言してきた。それを反故にし、実験を強行したとなれば、アメリカなどを攻撃する手段を多用化させる狙いがあると言える。
広範囲にわたって無差別な被害をもたらす核兵器は、生物兵器とともに、「使用しづらい兵器」とされてきた。だが、技術的な進歩により、使えない兵器が使えるレベルになっているのだ。
日本が江戸時代に逆戻りしたくなければ、新しい脅威に対処する必要がある。
(山本慧)
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